Amazon Fireスマフォのすべて、クラウド戦線、Adobeサービス化など―US記事まとめ

モバイル:これがAmazonのFireスマートフォンだ

6月19日(日本時間)のプレスイベントでジェフ・ベゾス自身がAmazon初の独自スマートフォン、Amazon Fireを発表した。TechCrunch Japanでは関連記事をできるだけ多数翻訳した。Fireに関して現在判明している情報はほぼすべて以下の記事に含まれている。

Amazon、 独自スマートフォンFireを発表―3Dヘッドトラッキング機能を備えて199ドルから

速報。概要紹介。

Amazon Fireの3D表示は顔位置を認識してダイナミックに再描画する新たな透視図法

従来の3Dは右目用画像と左目用画像を同時に表示することによってパララックス(視差)を作り出していた。そのため3D効果を得るためには偏光メガネや特殊なディスプレイが必要で、ユーザーの負担が大きく普及していない。これに対してFireではDynamicPerspectiveと呼ばれる全く新しい方法による3Dテクノロジーを導入している。これはユーザーが視点を移動するにつれて新たな視点から対象を再描画するという画期的な手法だ。プレゼンでつかわれた下のビデオがわかりやすい。

ユーザーの視点の位置と移動を追跡するためにFireには顔追跡用のカメラが4台装備されている。2台のカメラが指で隠されても他の2台が機能するという仕組みだ。

Amazonのショッピング・スマホには、プライム会費1年分が無料でついてくる

ベゾスはプレゼンの冒頭で「プライム会員のためのスマートフォン」と明言。Fireは2年契約で199ドル、プライム会費年額が99ドルなので実質本体価格100ドルということになり、非常に割安だ。Kindleタブレットの場合も、Amazonは原価ぎりぎりの価格をつけて成功している。デバイスの販売で利益を上げるのではなく、そのデバイスを通じたストアの利用の拡大が目的というAmazonならではの戦略だ。

Amazon Fire Phoneの”Firefly”は、リアル世界で見たものを識別(そして購入)するしくみ

FireがAmazonストアの利用の拡大のための「お買い物端末」であることをもっともよく表すのがFirefly〔ホタル〕機能だ。DVDのジャケットをカメラで撮るとFireflyがその場で商品として認識し、Amazonから購入できる。認識できるアイテムは1億以上。FireにはFirefly専用ボタンがあって気になったものに向けてボタンを押すだけで商品認識ができる。

Fire Phoneは、Maydayサービスを通じて新機能を説明できる

ユーザーがわからないことはAmazonが教えてくれる。365日24時間の電話ヘルプサービスというのは大きなコストがかかるはずだが、ベゾスはKindleFireにつづいてFireスマートフォンにもMaydayを導入した。ベゾスは「ユーザーのリテラシーが低い」などとは言わない。「ユーザーがわからないならAmazonが教えてやる」という姿勢だ。

Amazon、Prime会員向け音楽ストリーミングを開始―地味なスタートは意図されたもの

前の週にAmazon独自の音楽サービスをスタートさせた。Spotifyなど主流の音楽ストリーミングに比べると楽曲数、UIなど見劣りがしたが、あくまでFireスマートフォンの「おまけ」機能という位置づけ。しかしAmazonインスタントビデオも「おまけ」的なサービスとして始まったが、今はNetflixの最有力ライバルに成長している。音楽ストリーミングの今後も目が離せない。

Fire発表イベントのビデオ

ベゾスのプレゼンは時間をかけても細部までとことこん説明せずにはおかないというスタイル。ジョブズに比べるとやや地味だが同じくらい迫力がある。非常に分かりやすい。

Fireの日本での展開についてはまだ具体的情報がないが、いずれは上陸してくるだろう。個人的には月極プランさえ安ければKindle読書端末を兼ねて1台欲しいところだ。

クラウド:GoogleとAmazon、激烈叩き合い続く

6月17日にGoogleがSSDによるパーシステントディスクとHTTPロードバランシングを提供すると、AmazonがすかさずEBSでSSDストレージをローンチ―料金はGoogleより安く、3000 IOPSをサポートで対抗した。

I/Oカンファレンスを控えて、GoogleがAWSからの移行促進のためデータインポートツールOnline Cloud Importを提供を開始、さらにマルチプラットフォーム・ウェブアプリのテンプレート、Web Starter Kitを発表するなどAWSに対する攻勢を強めている。また衛星スタートアップ、Skyboxを5億ドルで買収して宇宙からの地上撮影ネットワークの構築に乗り出したことも注目された。

クラウドはGoogle、Amazon、Microsoftの競争がますます激しさを増しており、中小クラウド事業者の今後に懸念が出始めている。

AdobeがCCを全面アップデート

Amazon Fireのリリースと重なってその影に隠れてしまった感があったが、AdobeがCreative Cloudを全面的にアップデートすると同時にCreativeSDKを公開、Photoshopを始めAdobeの数々の高度なアプリケーションをサードパーティーのデベロッパーが利用できるようにしたことが注目される。

新世界を築いたAdobeによれば、デジタルメディア担当上級副社長、 David Wadhwaniは「これまでのAdobe.comのサイトは、製品を売ることだけが目的だったが、これからはCreativeCloudを軸とするサービス企業の姿をお見せしていく必要がある」と述べたという。また初のAdobe製スタイラス、Ink and Slideも発表された。

ソーシャル:Facebookのパチンコは的に当たるか、大ハズレか?

Facebook、ユニークな写真共有アプリ、Slingshotを公開―写真を投げ返さないと相手の写真が見られない

Facebookが公開した独立の写真共有アプリはSlingshot〔パチンコ〕は相手から受け取った写真を閲覧するにはまず自分も何か写真を送らなければならないというユニークな仕組みだ。「ソーシャルメディアでコンテンツを作っているのは1%のユーザーにすぎない」という「1%の法則」を打ち破ろうという意欲は理解できるが、多くのユーザーにとって「写真を見たい」という好奇心より「いちいちめんどくさい」と思う方が先にたつのではないだろうか?

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。