Amazon S3 Storage LensはS3の複雑な利用状況を可視化する

S3ストレージの要件が多くなると、どう利用されているかを正確に把握するのは難しくなる。複数のリージョンにまたがると、特にそうだ。可視化する手段がないために独自にソリューションを構築しなくてはならない管理者にとっては、大きな影響が出かねない。この状況が、11月第3週のAWSの発表によって変わった。きわめて複雑なS3ストレージ環境を把握する手段として、Amazon S3 Storage Lensという新しいプロダクトが発表されたのだ。

このツールで、S3オブジェクトストレージ全般の状況を把握し必要があれば対応をするための分析をすることができる。AWSはこの新しいサービスに関するブログ投稿の中で「その時点での指標とトレンドライン、そして実行可能な提案を示してオブジェクトストレージをお客様の組織全体にわたって可視化する、初のクラウドストレージ分析ソリューションです」と説明している。

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ダッシュボードに29種類の指標が表示され、AWSによれば「異常を発見し、コスト効率を割り出し、データ保護のベストプラクティスを適用する」のに役立つという。IT管理者はストレージの状況を見て、注意しなくてはならない問題があるかどうかなど必要に応じて特定のインスタンスを詳しく調べることができる。デフォルトのダッシュボードが用意されているが管理者はダッシュボードをカスタマイズでき、S3 LensのデータをAmazonの他のツールに書き出す機能もある。

数千、あるいは数万ものS3ストレージインスタンスがあるような複雑なストレージ要件で運用している企業は、システム全体の状況を把握する手段をなんとか工夫して作らなくてはならなかった。そうした企業がS3 Lensを使えば、すべてを1カ所で見ることができる。

AWSによると、S3 Storage Lensは全リージョンですでに利用可能になっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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