Android用Remote Application Framework(RAF)はモバイルに本物のマルチスクリーン体験をもたらす

Androidには実はAirPlayのようなものがない。MiracastやMirrorlinkはやや似ているが、でも、Appleのそれのように第一画面にあるものとは無関係に第二画面の体験を作り出すことはできない。そこでデンマークのSolution57はRemote Application Framework(略称RAF)を作ったのだが、こいつはAppleより上で、Androidデバイスにくっつけたディスプレイが従来のデスクトップPCに接続したディスプレイのように使える。

RAFを使うと、Androidデバイスは、リモートのディスプレイ上にアプリが動いている体験を作りだし、同時にホスト側のデバイス上では別のソフトを動かせる。ホストデバイスがすべてのアプリを動かし、受信側はそのコンテンツを表示する。アプリが違えば当然UIも違う…たとえば手元のデバイスでゲームを楽しみながら接続した第二のディスプレイ上ではGPSソフトを動かせる。一つのシステムが、二つのディスプレイ上の二つのアプリを動かす。それはたとえばMacBook Proに第二のモニタをつないだときなどと同じだ。

ただし、それと完全に同じではない。RAFの場合は、つながれた側のディスプレイは何らかのOSを必要とする。だからRAFははじめ、車載用に最適のインフォテイメント(infotainment, information+entertainment)システムだ、ともてはやされた。たとえばGMやNissanの車載システムが、QNXなど、ノンAndroidのOSを使っていてもよい。ユーザは、その車載システム本来のツールを使ってもよいし、あるいは自分のAndroid携帯がそれを完全に乗っ取った状態で使ってもよい。それはちょうど、AppleがiOS 7で提案した車載機能と同じだ。

RAFを使うためにAndroidもその上のアプリも何ら変更の必要はないが、Solution57のディレクターRafal Malewskiがぼくに語ったところによると、RAFがMirrorlinkの正式仕様の一部になれば、たいへんありがたいそうだ。

“自動車業界がモバイルと車載系の統合を本格的に採用して正規に普及していく場合に、これがMirrorlinkの拡張スペックとして採用される必要がある”、と彼は説明する。“今はCar Connectivity Consortiumと接触して、彼らの関心のほどを探っているところだ”。

そしてその一方でSolution57は、すでに二社のOEMに売り込んで、車載系以外のリモート技術を実現しようとしている。消費者向けのVNCクライアントもあり、それはAndroid、iOS、QNX、Windows、Linuxなどで使える。Malewskiは、今後はもっと、ありとあらゆる種類のアプリケーションがありえる、と言う。たとえばウェアラブル製品のセカンドスクリーンとか、Androidゲーム機用のスマートコントローラ。スマートテレビなどだ。

Solution57が究極的に望んでいるのは、GoogleがこれをAndroid本体に採用することだ。つまり、Solution57の買収である。今はOEMへのライセンス提供というビジネスモデルだが、RAFを統合した最初のデバイスの発売は、予定どおりいけば来年の半ばだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))