Android 10からはお菓子の名前をバージョンの愛称にすることを廃止

ネーミングにデザートの名前を使うことは、Googleの一番愛された伝統のひとつだ。中には疑問符が付くのもあったが。同社のモバイルオペレーティングシステムは、新しいバージョンが出るたびに、今度はどんなスイーツの名前になるのだろう?という推測で盛り上がった。でも、名前がPで始まるお菓子はたくさんあったけど、その次のQは難問だ。

Quiche(キッシュ)はお菓子ではないし、その点ではQuesadillas(ケサディーヤ)やQuinoa(キヌア)も同じだ。では次のリリースはどうするか。おおいに悩んだGoogleはついに、スイーツの名前という長年愛されてきた方針を捨てた。もちろん、Googleが挙げる捨てる理由は「Qで始まるお菓子を思いつきませんでした」という率直なものではない。

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代わりに同社が挙げるのは、デザートの名前は世界中で25億台も現役で使用されているデバイスの愛称として普遍性がないというものだ。

かなり前から、世界には特定の名前が理解されない地域や民族もある、というフィードバックをいただいてきた。たとえば一部の言語の話し言葉では、LとRが区別されない。

なので「Androidの次のバージョンはAndroid Lollipopだ」と我々が大声で言っても、それがKitKatの次のバージョンであることが伝わらない人たちがいる。またAndroidの新しいユーザーには、この命名の慣行をまったく知らない人も多いので、それが自分のスマートフォンに載っている最新バージョンのオペレーティングシステムであることが、全然理解されない。それに、世界にはパイ(Pie)がお菓子ではない地域があるし、我々にとってはおいしいマシュマロ(Marshmallow)も、日常的に食べられていない地域が世界には多い。

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もちろん、オンラインの時代においては普遍性は明確でない概念だ。例えば、Appleという今やグローバルな商標は最初、カリフォルニアをテーマとするデスクトップOSの名前だった。でも率直に言えば、今のペーパーバックのスパイ小説みたいな政治的風土の中では、Qの文字を最初から避けたほうが良かったかもしれない。それに同社が市販のお菓子の商品名Raisinetes(レジネッツ)やSkittles(スキットルズ)やTwizzlers(トウィズラーズ)を使うことを、想像したくないね。

そして今度からは、Androidの商標のデザインがやや変わって文字がグリーンから黒になる。それについて同社は「小さな変更だが、グリーンは目の不自由な人たちなどにとって読みづらいことがわかった。また、文字と同じ色だとロゴが目立たないので、文字の色とのコントラストを改善した」とコメントしている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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