Ankiの秀作トイロボットCozmoとVectorが2021年にグローバル市場で再起予定

優れたロボットは死なない。その価値に対してより高い値を付けた者に、持ち主が変わるだけだ。2019年にAnkiが早すぎる自壊をしたときは、Digital Dream LabsがそのIPを拾い集めた。このピッツバーグのEdTech企業は当初、VectorとCozmoを2020年のどこかの時点で再起させようとして、2020年3月にKickstarterキャンペーンを立ち上げた。

クラウドファンディングで最終的に180万ドル(約2億円)を調達した同社は米国時間3月5日、懸案とんなっていた再起をグローバルな流通企業の力を借りて行う、と発表した。

CEOのJacob Hanchar(ジェイコブ・ハンチャー)氏は「このロボットは、今でも需要が極めて大きい。これまでもCozmoとVectorの再起に備えて努力を積み重ねてきたが、今回は流通とのパートナーシップにより条件が整い、ホリデーシーズンにはお店の棚に並ぶことになるだろう」と語る。

このロボットは、今でも欲しい人がたくさんいることは確実だ。特に人気が高かったのはCozmoで、かなり売れたし、Ankiは巨額の資金を獲得したが、同社も多くのロボットスタートアップを襲った宿命から逃れられなかった。

これらのマシンが市場に再登場したら、何が起きるか楽しみだ。Ankiは彼らを生むために大量のリソースを投じており、その中にはPixarとDreamWorksの元スタッフたちもいる。ロボットを本当に生きてるような感じにするために、彼らが起用された。またロボットに個性を持たせるためにも工夫が施され、Vectorの一部のオーナーはそのロボットをオープンソースにしている。一方Cozmoは、発売後に同社のアプリでプログラマブルな機能を持つ予定だった。

Spheroなどの企業が、ロボットを初めいろいろな製品で挑戦しているSTEM市場にも、おもしろい効果が生まれるだろう。かなり混雑した市場だが、Ankiの新しいオーナーであるDigital Dream Labsには、魅力的で複雑な感情表現のできるトイロボットという、前任者たちが作った堅固な事業基盤がすでにある。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Digital Dream Labs

画像クレジット:Veanne Cao

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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