Antがグループ収益の約4割占めていた小口融資事業にメス、中国の「分割」命令から約1年

2020年12月、中国政府はAnt Group(アント・グループ)に対し、史上最大の新規株式公開となる可能性があったIPOを中止した後、その事業を「是正」するためのガイドラインを示した。その中で規制当局は、Antにクレジット事業の見直しなどを求め、金融機関を監督するのと同じ一連の規制を受けるようにした。言い換えれば、Antはもはや「テック」企業と称して自由奔放に活動できないということだ。

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それから約1年後、Alibaba(アリババ)系列のフィンテック企業である同社は、人気の高い消費者向けクレジット商品の再編をほぼ終えたことを示した。

2020年に提出された同社の目論見書によると、クレジットローン商品は2020年6月までの6カ月間でAntの収益の40%近くを占めていた。2つの主要商品は、仮想クレジットカードのように機能する、消費者の日常的な支出のために2014年に発売された「Huabei(花唄、ホワベイ)」と、その1年後、より大規模な消費トランザクションのためのクレジット商品として導入された「Jiebei(借唄、ジエベイ)」だ。

旧モデルでは、Antがオリジネートしたローンを、第三者である銀行などの金融機関が引き受けるという形をとっていた。同社の目論見書によると、2020年6月時点で、プラットフォームを通じて組成されたAntのクレジット残高の約98%は、パートナーの金融機関が引き受けるか証券化されている。

Jiebeiは2つのブランドに分割されたと、今週初めに複数のユーザーが報告している。Antの主力金融サービスアプリであるAlipay(アリペイ)では、サードパーティの銀行が提供するクレジットラインは「Xinyong Dai(信用贷=クレジットローン)」と呼ばれている。一方、規制当局の要請を受けて設立されたAntの消費者金融会社が提供するクレジットラインは、「Jiebei」ブランドのままである。

Huabeiも同様に再編を開始し、どのローンが銀行から独立して提供され、どのローンがAntの消費者金融会社から提供されているかをユーザーに示すようになった。Huabeiは、日常的な「少額」取引に焦点を当てていくと、Weibo(微博、ウェイボー)への投稿で述べている

「ブランドの差別化に伴い、クレジットローンサービスを申し込むユーザーは、ブランドの混同を避けるために、クレジットプロバイダーに関するより多くの情報を得ることができます」とも。

Huabeiはまた、中国人民銀行(中央銀行)が監督するデータベースに消費者の信用情報を提出していることにも言及している。同社は9月に消費者信用会社を設立した後、このルーチンを開始した。消費者信用会社は銀行と同様に、中央銀行に信用評価データを報告する必要がある。

画像クレジット:Ant Group

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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