APIをプロダクト化する「ノーコード」企業Blobrがプレシードで1.5億円を調達

パリを拠点とするスタートアップのBlobr(ブルーバー)が、プレシード資金として120万ユーロ(約1億5000万円)を調達した。同社が提供する技術は、企業が自らの既存のAPIを、公開して収益化する作業をノーコードで簡単に行えるようにするというものだ。

このラウンドは、欧州全域でプレシードおよびシード投資を行うSeedcampが主導して、New Wave、Kima、その他のエンジェル投資家たちが参加している。BlobrはまたNew Waveから投資を受ける初めての会社でもある。New WaveはPia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏とJean de la Rochebrochard(ジャン・ドゥ・ラ・ロシュブシャー)氏が共同で設立した欧州の新しいベンチャーキャピタルだ。同VCは、IliadのXavier Niel(ザビエル・ニール)氏、Benchmark のPeter Fenton(ピーター・フェントン)、元Appleの著名なTony Fadell(トニー・ファデル)氏を含む有名投資家たちから、投資可能資金として5600万ドル(約58億1000万円)を集めたことを発表している

Alexandre Airvault(アレクサンドル・エアボールト)CEOとAlexandre Mai(アレクサンドル・メイ)CTOによって設立されたBlobrは、APIの「ビジネス・プロダクトレイヤー」の標準になることを目指している。基本的なアイデアは、プロダクトやビジネスの担当者たちが、技術的な知識なしに、そして社内のエンジニアリングリソースも増やすことなく、企業の持つアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を管理し、収益化できるようにするというものだ。Blobrは、それを実現することで、データや機能の商用利用がより多くのサードパーティから可能になり、その上にアプリケーションが構築されることで、APIのより多くの革新的利用が増えることになると考えている。

「私たちは、企業はAPIを単なるパイプだと考えるのを止めて、その力を解き放つためにプロダクトとしての構築を始めるべきだと考えています」とエアボールト氏は述べている。「つまりAPIは、単に技術指向であるだけではなくユーザー指向のマインドセットで、価格設定、カスタマイズ、管理が行われるべきだということ意味しています」。

これを実現するためにBlobrは、プロダクトやビジネスのオーナーたちが技術者への依存度を下げながら、「データ共有を収益性の高いモデルにする」ことができるように設計されている。「このアプローチこそが、データ交換を次のレベルに押し上げるものだと信じていいるのです」と彼は説明する。

Blobrのノーコード技術は、すでにかなり多くの機能を提供している。既存の内部APIから、機密情報やGDPR関連のデータをフィルタリングすることができる。また、顧客のセグメンテーションに応じて異なるAPI出力を提供することも可能なので、必要なデータのみを公開することができる。そしてAPIの利用は、利用に基くビジネスモデルと連携させたり、Stripe(ストライプ)の1カ月単位のサブスクリプションプランと連携させたりすることが可能だ。

エアボールト氏によれば、主な競合には、Google(グーグル)、IBM(アイビーエム)、Axway(アクスウェイ)、Microsoft(マイクロソフト)の提供するAPI管理ソリューションがあるという。「そうしたプラットフォームは内部API用に作られていますが、APIをプロダクトとして管理するためには考えられていませんし、最適化もされていません。またそれらは技術者のために作られたものですが、ノーコードソリューションのBlobrは、プロダクトならびにビジネスパーソンが技術者の手を借りなくても良いように、ゼロから作られたものなのです」と彼は付け加えた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:BlobrノーコードAPI資金調達

画像クレジット:Blobr

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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