Apple、アーティストが楽曲の再生数と購入数を追跡できるダッシュボードを提供

今日(米国時間1/22)AppleはApple Music用の新しいダッシュボードを公開し、アーティストがファンの再生や購買の傾向を追跡し、自分の楽曲に関する様々な分析データを見られるようにした。Appleから独占情報を入手したBillboardが報じた。ダッシュボードはApple Music for Artistsと呼ばれ、現在一部のベータユーザーのみに公開されており、今春一般公開される予定だ。

この動きがSpotify対抗であることは明らかだ。昨年来Spotifyはアーティスト向けのサービスを次々と提供してきた。

昨年4月にSpotifyは同サービスのアーティスト向けダッシュボードのベータ版を正式公開し、ストリーミングの概要と分析の表示、プロフィールの管理などを可能にした。10月には、アーティスト専用アプリを公開し、ニューリリースのリアルタイムデータを含む類似のデータを提供した。また同じ月に、RISEと呼ばれる新進アーティストのプログラムも発表した

Pandoraにもアーティスト向けのダッシュボードがあり、ファンとつながるためのツールを提供して、短い音声メッセージを利用したり、ニューリリースやライブイベント、チケット販売などの情報を届けている。

当然Appleは追いつく必要があった。

Appleの新しいダッシュボードの特長は、ストリーミングと購入の両方を詳細に追跡できることだ。

ダッシュボードには2015年にApple Musicがスタートして以来の再生回数、放送回数、楽曲購入数、およびアルバム購入数が表示される。Insightパネルには、特定楽曲のオールタイム再生回数や購入数などのマイルストーンが掲載される。

また世界地図をクリックすると、楽曲が再生されている場所やユーザー層を都市レベルまで見ることができる(Apple MusicとiTunesが提供されている115カ国をクリックできる)。これはアーティストがツアーやライブの計画を立てるのに役立つ。

Appleはこのダッシュボードの一般公開に先立ち、フィードバックを返してくれるベータユーザーを対象にテストを開始する。Apple Music for Artistsは、今春Appleの数百万のアーティストに向けて公開される。

もちろん現時点でアーティストがApple Musicのダッシュボードだけを使うことは考えにくい。Spotifyが音楽トレンドをリードし、同サービスのプレイリストに載ることがアーティストのキャリアーになるという現状を踏まえると、まずはアーティストが自分の楽曲の動向を追跡するために最初にチェックする場所の一つになるのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook