Apple、オーディオ・ハイパーリンクを開発中。音声ストリーム中に他のメディアへのリンクを埋め込む

Appleが新しいタイプの「オーディオ・ハイパーリンク」技術を開発している(特許申請資料による。 AppleInsiderより)。音楽などのオーディオトラック中に埋め込んだ可聴または不可聴音域の信号を使って他のメディアへリンクしたり、デバイス上で何らかの機能を実行する。これを使えば、iPhoneなどのデバイスはこのハイパーリンクに遭遇した際に、インターネットをブラウズしていて通常のリンクに遭遇した時と同じく様々な機能を果たすことが可能になる。

実用な使用例を挙げる。ポッドキャストにこの音声ハイパーリンクを埋め込んでおき、検知されると主要トラックの再生を一時停止し、そのポッドキャストの特定部分にジャンプしたり、ウェブ上の別の音声ストリームを再生したり、さらには別のアプリやウェブ上のビデオや別のサイトを開くこともできる。別のアプリを呼び出して購入画面を立ち上げるなど、Eコマースの機会をオーディオに埋め込むことも可能で、これはポッドキャストでアフィリエート収益を得たり、iTunes Radioユーザーにアプリや音楽の購入行動を促すのに最適だ。

現在Appleの「enhanced podcast」フォーマットを使って、これらの一部を実施することは可能だが、そのためのメタデータを追加し、ファイルをAACフォーマットで記録する必要がある。新方式は関連するリンクを音声ストリームに直接入れることができるため、ずっとポータブル性が高い。オーディオ・ハイパーリンクは、何らかの入力トリガーと結びつけることが可能なので、ユーザーが音声その他の方法でリンクをアクティベートしないと実行しないようにもできる。

この発明には、オーディオファイルに今日のマルチメディアリッチなモバイルプラットフォームにより適した真のインタラクティブ性をもたらす可能性がある。音声ポッドキャストでのメリットは明らかだが、この技術は音楽、ビデオ、さらには着信音などの通知にも応用できる。

この種のメディアフォーマットは、仮に明日導入されたとしても(比較的最近2012年に申請された特許であるため、まずあり得ない)、広く普及するまでには時間がかるだろうし、業界標準にならない限り大きく普及させるのは困難だろう。しかし、われわれがコンピューター機器と接する方法を基本レベルで変える可能性をもつものであり、今後の発展から目を離せない領域であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)