Apple、iOSアプリ発見サービスのAppGratisをApp Storeから削除

Appleは、発見と日替り特典のアプリ、AppGratisをApp Storeから削除した。今のところこの問題に関してAppGratisから発表はなく、ユーザーは何が問題なのかを憶測するほかない。時としてAppleは、アプリの最新バージョンがクラッシュする、あるいはアプリが非公開APIを使っているという理由でアプリを閉鎖することがある。その場合デベロッパーは新しいバージョンを提出してApp Storeに復活する必要がある。しかし問題がもっと大きい可能性もある。

昨年10月、AppleはiOSデベロッパー・ガイドラインに新たに規則を追加した。そこにはこう書かれていた。「App Storeと類似あるいは紛らわしい方法で、購入または宣伝目的に自身以外のアプリを表示するアプリは却下される」。ちなみにAppGratisは、App Storeからアプリを収集し、短い説明を加え1日間有料アプリを無料で配布する。

当時AppGratisのCEO Simon Dawlatは、おそらくAppleが問題にしているのは質の悪い類似アプリでありAppGratisではないと答えた。AppGratisの特徴は、発見と収益分配によって独立系デベロッパーを助けることだ。

他の人気発見アプリの中にもAppleの新ガイドラインの影響を受けたものがある。PocketGamer.bizによると、AppShopperはApp Storeから削除されて以来復帰できていない。AppShopperはApp Storeを検索する方法を提供していて、Apple自身のApp Storeと直接競合していた。しかもユーザーはアプリが値下げされた時に通知を受け取るので、結果的にデベロッパーのユーザー当たり売上を減少させる恐れもあった。

別のシナリオがいくつもあり得る理由はこれだ。おそらくAppGratiが非公開APIを使ったか、些細なガイドライン違反を犯したために、Appleは次期バージョンが提出されるまでアプリを戻さないのかもしれない。いずれにせよデベロッパーは常にAppleレビュー・チームに翻弄される。デベロッパーは、アプリをストアに置いておくために、チームからあれこれと修正を要求されることがある。

ちなみにフランス・パリ拠点のAppGratisは、1月に1350万ドルの資金を調達したところだ。700万のユーザーを擁し、1本のアプリを最大50万回ダウンロードさせる力を持つこの会社は決して新参ではない。もしAppleがAppGratisを追い出したければ、数ヵ月前にそうしてはずだ。

彼らにできることと言えば、Appleの最終決定を待つことだけだ。現在のところ既存ユーザーは引き続きAppGratisを使い続けられる。おそらくわずかなUX変更あるいは、インフラストラクチャーの修正によって、同アプリはApp Storeに復活できるだろう。

AppGratisには取材を申し込んであるので、新しい情報が入り次第この記事を修正する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi)