Apple、Mac向け独自チップを開発中との報道

Apple はMacに自社製の独自チップを使おうと計画している。これは現在デスクトップとノートで使われているIntelチップが置き換えられるかもしれないことを意味している。Bloombergが報じた。

Appleはこれまでにも数多くのカスタムチップを作っている。Bluetoothヘッドホン用のW-series、Apple Watch用のS-series、iPhone用のA-series、さらには新しいiPhoneで使われているカスタム版GPUなどだ。つまりAppleは、チップのファブレス製造を行う方法をいくつも持っている。デバイスの用途を益々特化し、サードパーティーへの部品の依存度を減らす意味でも理にかなった考え方だ。すでにAppleはQualcommとロイヤルティの件でもめている。またMacは製品ラインアップ的には第3の製品ともいえるが、今も会社の収益の大きな部分を占めている。

すべてのカスタムチップを自社開発することによってAppleは様々なことが可能になる。少なくとも、デバイス同士が効率的に話し合えるシステムにMacを仲間入りさせることができる。すでにAppleはユーザーのアクティビティをデバイス間で移動する手段をいくつも持っているが、これをよりシームレスにすることで、ユーザーをAppleエコシステムに囲い込むことが容易になる。W1チップ内蔵のワイヤレスヘッドホンをiPhoneに接続したことのある人なら、一般のBluetoothヘッドホンとの違いがわかるはずだ。チップセット全体を支配することでさらに差別化が強化されるだろう。Bloombergの記事によるとAppleは早ければ2020年にはチップを製造する可能性がある。

そうなればIntel は明らかな敗者となる恐れがあり、市場はそれを映し出している。Intel株はこのニュースのあと8%近く下落した。Appleが従来のチップからカスタムデザインへ移行することは、Intelが長年培ってきたアーキテクチャーからの明確な離脱だ。そして、独自のチップ設計を見込んでいるのはAppleだけではない。Amazon Alexa向けに独自のAIチップを開発して、Amazonエコシステムへの取り込みを狙っている。主要メーカーらが独自アーキテクチャーに目を向ける一方では、居並ぶスタートアップの群れがAI向けカスタムチップ開発のために巨額の資金を集めている

Appleはコメントを拒んだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。