Appleが量子ドットディスプレイの実用化で三つの特許を出願

USTPO(合衆国特許局)が今日(米国時間2/7)発表した特許出願情報によると、Appleはまた新たに三つの特許を出願している(AppleInsiderによる)。三つとも量子ドットディスプレイの利用に関連していて、この新しいディスプレイ技術により電子製品のスクリーンにさまざまなアドバンテージがもたらされる。それらは、よりリッチで鮮明な色、より広い視野角、そしてこれまでのLCDよりも優れたユーザ体験、とされている。

Appleが量子ドットディスプレイの特許を出願したのは、2013年のp12月だが、そこではこの技術を既存のディスプレイ技術に応用して色の制御を改良する方法が記述されていた。そこでAppleのタームとしては、 quantum dot displayではなくquantum dot-enhanced display(量子ドットで高性能化したディスプレイ)が用いられている。今回の三つの特許は、MEMSによるシャッター制御、プリズムなどを使って行う量子ドットに分散する光の制御、正しい色を維持しながらバックライトを弱くする技術など、量子ドット技術のディスプレイへの応用に関連している。

特許の詳細はきわめて専門的だが、全体としては量子ドットディスプレイという技術を実際の商用製品に実装する際の、細かい具体的な実装技術でAppleは特許、すなわち知財に関する排他的権利を確保したいようだ。ただしAppleはかねてから、実際には製品に使わない技術でも大量に特許を出願する性癖がある(たとえばNFCに関する大量の特許)。でも今回の特許には、量子ドットディスプレイの商用実用化を阻んでいたいくつかの要因を克服するために同社が研究開発した、いくつかの実用技術が含まれているものと思われる。

この種のディスプレイを使った製品は、すでに大手テレビメーカーが手がけている*。たとえばSonyは、2013年1月に、新製品のフラットスクリーンテレビの一部に量子ドット技術を使うと発表して、その先鞭を切った。量子ドットディスプレイはディスプレイの画質を向上する技術だから、Appleがこの人参を追う馬の仲間入りをするのも当然だ。同社はこれまでにも、レティナディスプレイなどでモバイルデバイスのディスプレイではずっと先頭を走ってきたのだから。

〔*: Kindle Fire HDX 7がすでに採用。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))