Appleが開発者向けアプリ分析ツールApp Analyticsのベータ版をローンチ

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Appleは今日から同社の最新プロダクトである、App Analyticsツールのベータ版を登録した開発者に向けて解放する。このプログラムでは、開発者に自分が作成したアプリがどのような端末で、どこの国からアクセスされているかといったアプリの使用に関するいくつかのデータを提供する。

このネイティブアナリティクスの機能は今のところ、既にあるアナリティクス関連サービスに取って代わるほどのものではないが、これから改良されていくことだろう。また、アプリに追加の予算を割きたくない開発者や昨年2月にAppleに買収されたTestFlightで同様の機能を利用していた開発者に歓迎されるだろう。

ベータ版への反応は概ね好意的だ。YouTubeやSoundcloudの音楽を整理してストリームするアプリであるMusiを制作した開発者のAaron WojnowskiはTechCrunchの質問に対し、Appleのアプリはサードパーティーのものには無い、彼にとって有益な機能がいくつかあったと話した。

「Appleは、ダウンロードされた日を元にリテンション率を計算して、分かりやすく表示しています」と彼はメールで答えた。「Musiの場合、30日間のリテンション率は20から25%でした。サードパーティーのデータではリテンション率を推測しなければなりませんでしたが、信頼できる情報が得られたのはとても良かったです」。

Wojnowskiは、もう一つ、パネル表示されていた有益な指標があったと伝えた。他からは得られない独自の情報であり、それによりアプリのマーケティングアプローチを変更したという。具体的には、過去に彼のアプリをレビューしたウェブサイトに連絡し、アプリに加えた変更点についての記事の更新を依頼した。

「App Analyticsのベータ版が提供しているソースに関する情報は私にとって予想外に有益なものでした」と伝えた。「開発したアプリは複数のページに掲載されていますが、Appleのアプリは、ユーザーがどのページから流入したかの詳細な情報を表示しています。例えば、Googleからか、Redditからかといった情報です。何年も前にMusiのレビューや記事を掲載したウェブサイトから未だに流入があり、ダウンロードに結びついていることを知って驚きました」。

Wojnowskiは、これらの機能がAppleの最新アナリティクスアプリで有益な機能だと伝えたが、今後、検索結果のソースや直帰率といったトラックして得られる詳細なデータの統計が加わることを期待すると話した。このようなデータはApp AnnieやFlurryといったサードパーティーのプラットフォームは提供している。

Mango Healthの共同ファウンダーであるJason OberfestはTechCrunchにメールで、彼の企業はAppleのアナリティクスベータ版に「歓喜している」とし、それを元にプロダクト開発やマーケティングアプローチを早速変更したと伝えた。

「App Analyticsから、カスタマーのアプリへの流入から利用に関する全体像が分かります。App Storeでの最初のコンバージョン率から、Mango Healthのアプリが長期間に渡ってどのように使われているかが分かるのです。その情報は、私たちにプロダクトやマーケティングキャンペーンをユーザーに則したものにするために優れた洞察を与えてくれます」。

自分が開発したアプリの統計は無料で見ることができる。ビルトインのツールは、後々役立つだろう。Appleがここで開発を止めず、きっとこのプロダクトを改良し続けるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter