AppleマップがiOS 15アップグレードでより詳細な地図、交通機関ナビ、ARビューなど追加

iOS 15に搭載される数多くのアップデートの中でも、Apple Maps(マップ)は、より詳細な地図、交通機関利用者のための改善、AR体験など、さまざまなアップグレードが行われる。今回のアップグレードは、2年前にApple(アップル)が提供を開始した新しいマップをベースにしている。それはより詳細な情報に加え、ユーザーからのフィードバックや苦情に応えて、より正確なナビゲーションを提供することに重点を置いていた。

それ以来、Appleマップは着実に進化している。

新しいマップ体験は、米国、英国、アイルランド、カナダでローンチされた後、米国時間6月7日からスペインとポルトガルでも導入される。その後、2021年後半にはイタリアとオーストラリアにも到着する予定であると、Appleは7日に開催されたWorldwide Developer Conference(WWDC、世界開発者会議)の基調講演で発表した。

画像クレジット:Apple

さらにAppleによると、iOS 15のマップでは、商業地区、マリーナ、ビルなどの詳細情報が新たに追加されるとのこと。さらに同社は、標高、新しい道路の色とラベル、そして何百ものカスタムデザインされたランドマーク(例えばゴールデンゲートブリッジのような場所)といったものを追加した。

また、マップの新しい夜間モードとして「moonlit glow(月明かりグロー)」モードが追加された。

ドライバーのために、Appleはマップに新しい道路の詳細情報を追加した。これにより、ドライバーは街中を移動する際に、ターンレーン、中央分離帯、バスやタクシーレーンなどの注意を払うべき条件をより見やすく、理解しやすくなる。今回の変更は、Google(グーグル)が最近行ったGoogleマッププラットフォームのアップデートに匹敵するもので、そちらも一部の都市で道路レベルの詳細情報が提供されるようになった。これにより、徒歩、車イス、自転車、スクーターなどで移動する人々も、歩道や交差点などをより見やすくなっていた。

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Appleも今やっとそれに追いつき、横断歩道や自転車レーンなどを表示していくと述べている。

また、重なり合った複雑なインターチェンジなどを3D空間で表現し、今後の交通状況や車線の確認をより容易にするとのこと。これらの機能は、年内にCarPlayにも搭載される予定だ。

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一方、交通機関を利用するユーザーのために、マップは近くの駅を見つけやすいように改良された。

ユーザーは、お気に入りの路線をトップにピン留めしたり、Apple Watchで追跡できるようになり、わざわざ携帯電話を取り出す必要がなくなった。アップデートされたマップアプリは乗り換えルートを自動的に追跡し、降りる時間になると通知してくれるので、例えばCitymapperのような、交通機関利用者に人気のあるサードパーティ製アプリに対抗できるようになっている。

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また、駅を出たときにiPhoneをかざして周辺の建物をスキャンすると、マップが正確な位置を検出し、AR(拡張現実)で方向を提示することができるようになった。これは、Googleが2020年に発表した「Live View(ライブビュー)AR」による道案内と同様だ。

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この機能は2021年に一部の都市で開始され、今後1年間でさらに増えていくとAppleは述べている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

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