Apple開発者会議WWDC 2017の見どころ

年に1度のお祭りがまたやってくる。何千人もの開発者たちがサウスベイに向かい、ソフトウェアを手に入れようとするのだ。そして会場には向かわないものの、Appleに関心を持つ人たちは、(米国太平洋標準時)月曜朝にその目をWWDCのキイノートを映すスクリーンに釘付けにして、Tim Cookとその仲間たちが、Appleの様々なOSに対する最新情報を披露するのを眺めるのだ。

早い段階からのリークによれば、今回は通常のWWDCに比べてよりハードウェアにフォーカスしたものになるようだ。多くのキープロダクトラインの更新があり、ついに本当の意味でSiriをリビングルームに持ち込むためのAmazon Echo競合商品も出ると噂されている。実際、イベント前に聞こえてくる噂や憶測の大半はデバイスに関するものだ。

もちろん私たちは(米国時間)6月5日(太平洋標準時10時/東部標準時1時)にはそこにいて、新しいことがわかり次第、次々にブログ記事としてアップして行く予定だ。とりあえず、この大イベントで私たちが見ることを期待できるものを挙げてみよう。

ハードウェア

WWDCではハードウェアが常に発表される訳ではないが、今年は選ぶのに迷うほどの豊作になるかもしれない。

噂のSiriスピーカー少なくともここ1年間は多くの噂が囁かれていた。Appleは密やかに(いや、実際にはそれほど密やかでもないが)、独自バージョンのAmazon Echo/Google Homeを開発していると伝えられている。長年に亘りスマートアシスタントを努めてきたSiriに対する需要な変更も伴う予定だ。同社はHome KitとiOS 10 Homeアプリを通じて、コネクテッドホームに関心を向けてきたが、この市場を制するために必要なのは、全てのものをまとめ上げる1つのハードウェアなのだ。

現時点では、Apple TVがインハウスハブの位置に最も近いものだ。しかし、このシステムは音声統合機能を備えているものの、EchoやHomeのような、常時音声入力を待ち続けるスピーカーハブへの、理想的な代替品とは言い難い。そのデバイスに関する詳細は、ほとんど存在しないが、競合相手たちに比べてより優れたプロダクトになることは期待できるだろう。何故って、まあ、AppleはまだAppleだからだ。

早い段階の噂では、EchoやHomeとは異なり、仮想サラウンドサウンドの可能性が指摘されていたりした、Appleは、家にスマートアシスタントを導入する際の単なるオマケとしてサウンドを考えているのではなく、その質などにもこだわる筈だからだ。そして、最近はあまりAppleによって力が注がれていなかったように見えるSiriに対する、重要なアップデートが期待できる。

iPad Pro 10.5:このイベントに先立って流されている別の噂は、最近の製品ラインの見直しを受けて、AppleがiPadラインにまた別のサイズのスクリーンを追加しようとしているというものである。登場が予想されている10.5インチのiPad Proは、9.7インチの兄弟と同じサイズになると言われている。Appleはいまだに、Surfaceのような2in1製品に、Proを使って戦いを挑もうとしている。Surfaceは元気のないタブレット市場では珍しい輝きを放っている。

MacBook ProとAirを引き継ぐものたち:Appleがメジャーな変更をMacBookに行ってから丸1年は経過していない、このため多くのアップグレードはマイナーなものにとどまるだろう。イベント前の噂では、インテルのKaby Lakeプロセッサーが、高速とバッテリーの長寿命を実現する最新の選択肢として搭載される。このチップはMacBook Airにも搭載されると噂されている。やっと(マイナーではあるが)長く待ち望まれていたアップグレードが、このAppleから忘れられていたラップトップにやってくるのだ。

ソフトウェア

たくさんある。非常に多くの、あらゆるソフトウェアが対象だ。Appleのオペレーティングシステムのすべてが、今回意味のあるアップデートを受けていると言われている。しかし、イベント前にはほとんど情報が流れてきていない。

iOS 11:Siri Speaker関連は言うまでもなく、iOSはキイノートスピーチの中心となるだろう。なにしろこれは開発者会議なのだ。10周年記念iPhone 8は、少なくとも秋まではデビューしないだろうが、iOS 11の最初の味を知ることはできるだろう。実際にどのような形態になるのかは、現時点では本当にわからない。しかし少しばかりのリーク情報がそこここに散らばっている。もちろん、考えるまでもなくSiriにはハブ機能の発表が行われるだろう。Alexaや、Assistantなどに対して先行してきたAppleの立場を考えれば当然だ。AppleのAIは、月曜日のステージではセンターをとるだろう。また、新しいiPad Proと同時に、タブレット版のオペレーティングシステムは、マルチユーザーログインやApple Pencilのより強力なサポートといった、プロレベルのアップデートが行われると言われている。特にAppleがより多くのビデオコンテンツを推している中、Musicの改訂も同様に大きなものとなりそうだ。

macOS/watchOS/tvOS:この3つのオペレーティングシステムも、今回大幅に更新される予定だが、やはり詳細はほとんどわかっていない。watchOSとtvOSの見かけには最も劇的な変化が期待される。watchOSに関しては、Apple Watchは決して順調とは言えない世のウェアラブルカテゴリーの中では、珍しい希望の星であり、今年後半に計画している新しいデバイスのためのチラ見せをしたいと思っているに違いない。特に注目すべきことは、最近のAppleのウォッチへの修正が、皆デバイス上のヘルスケア機能に関連しているということだ。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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