Apple WWDC:iOS 12はパフォーマンスが向上がテーマ――旧iPhoneも速くなる

サンノゼで今日(米国時間6/4)スタートしたWWDC 2018イベントで、Craig Federighi上級副社長は「今年リリースされるiOS 12でAppleはパフォーマンスの向上に全力を上げている」と述べた。しかもこのパフォーマンス改善は最新のデバイスだけにとどまらず、2013年以降に発売されたすべてのiOSデバイスに及ぶという。

「現在、iOS 12についてわれわれはあらゆる部分におけるパフォーマンスの向上に向けて努力を倍加している。これによりユーザーが持つ既存のデバイスの能力が一層高くなり反応も速くなる。しかもこの能力向上は顧客が所有するあらゆるデバイスに及ぶ。iOS 12はiOS 11を利用できるすべてのデバイスをサポートする」とFederighiはキーノートで述べた。

旧モデルのiOSデバイスでバッテリー保護のために処理速度を制限していた問題に関連して、Federighiは「Appleは旧モデルのパフォーマンス改善にも努力を集中している」と述べた。iOS 12はこうした旧モデルのパフォーマンスも最大限アップさせるようにするという。FederighiはiPhone 6を例として能力の向上についていくつか数値を挙げた。ただしこの点はまだ開発が初期段階にあるということだ(私はiPhone 6ユーザーなのでここはとりわけ注意深く聞いた)。

iOS 12では旧モデルでも「アプリの立ち上がりが40%速くなり、キーボードの反応も50%向上する。スライド操作で写真を撮影するのは70%速くなる」という。

iPhoneユーザーにもっとも歓迎される改良点は多くの現行モデルのパフォーマンスの最適化だろうという。「パフォーマンスが必要なときにiOS 12はiPhoneに真価を発揮させる」とFederighiは述べた。

「われわれはWiOS 12に大きな負荷をかけてテストしている。こうした状態で共有スプレッドシートは2倍も速く表示され、アプリの立ち上がり速度も2倍になった。これは非常に画期的な改良だ」とFederighiは強調した。

またAppleはiOS 12をチップ開発チームと共同してバッテリー寿命を考慮しながらハードウェアレベルでも最適化しようとしている。つまりユーザーがフルスロットルで長時間iPhoneを動かすとバッテリー寿命に悪影響がある。iOS
12ではパフォーマンスとバッテリー寿命のバランスを考えた最適解が提供される。

「これまではパフォーマンスの向上が必要とされるとき、それに応じてCPUのクロックをアップさせることで対応しようとしてきた。しかしiOS 12では、われわれはもっとスマートな方法を取った。スクロールやりアプリの立ち上げなどでユーザーが処理能力を必要としていることを検知するとプロセッサは即座に最高レベルにパフォーマンスをアップさせるる。しかしそれが終わると即座に通常モードに戻り、バッテリー寿命を延ばす」という。

iOS 12は今年後半にリリースされる予定だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。