ARで“インテリアを試着”——リビングスタイルが3.4億円調達、150万点の3Dデータ活かしたARコマースも

インテリア関連のサービスを展開するリビングスタイルは4月23日、DGインキュベーション、DG Daiwa Venturesが運営するDG Labファンドカカクコムアコード・ベンチャーズから3.4億円を調達したことを明らかにした。

同社は2007年の設立。2016年7月にも三井不動産のCVCとアコード・ベンチャーズから2億円を調達しており、今回はそれに続くラウンドとなる。調達した資金を元に組織体制を強化するほか、調達先であるVCやカカクコムとの連携を進め、インテリアの新しい購買体験の開発にも取り組むという。

リビングスタイルはインテリア商品の3Dデータを活用したサービスを複数展開しているスタートアップだ。

もともと取り組んでいたのは、インテリア業界向けの「インテリア 3Dシミュレーター」。同サービスではPCやタブレットから顧客の部屋の間取りを作成し、販売している商品を実際に配置してシミュレーションができる。

無印良品やFrancfranc、大塚家具など30以上のブランドがすでに導入。店頭での接客やオンラインストアに活用されている。導入時の初期費用と月額の利用料に加え、新商品の3Dモデルを取り込む際に都度料金が発生する仕組みだ。

「家具のデータベースを作りたいという思いから始まった事業。今では150万点を超えるインテリア商品の3Dデータが蓄積されている。前回の資金調達以降はこのデータを活用した個人向けのサービスにも力を入れてきた」(リビングスタイル代表取締役の井上俊宏氏)

それがいわば“インテリアの試着”サービスといえるARアプリ「RoomCo AR」だ。

RoomCo ARは家具を置きたい場所にスマホをかざすだけで、アプリから選んだ商品を空間上に実物サイズで配置できるアプリ。サイズ感を確かめるだけでなく、ほかの家具との色合いや全体のレイアウトを購入前に試せることが特徴だ。

井上氏によると当初は自社データベース上にある商品を対象にスタートしたが、実際にリリースしてみると仏壇や楽器など家具メーカー以外からも反響があったそうだ。

実際に現在RoomCo ARでは「お仏壇のはせがわ」や「ヤマハ」がラインナップに加わり、アプリから配置シミュレーションが可能。もちろん無印良品や大塚家具の商品を含め、ソファやテーブル、カテーン、ベッドなど様々な家具を試すこともできる。

また3Dデータを活用したインテリアコーディネートの情報メディア「RoomCo NAVI」も展開。6畳のリビング、8畳1LDKなど間取りごとにコーディネート事例を紹介し、気に入ったものは購入できるという流れだ。

現在はARアプリやメディアからメーカーのECサイトへ送客する仕組み。特にメディアが育ってきているようで「B向けだけでなくC向けの事業でも収益をあげられる体制を作っいきたい」(井上氏)という。

今後リビングスタイルでは調達先と連携しながらサービスを強化していく方針。DG Labとはシミュレーターの機能拡充やAR関連技術の研究を進める。またカカクコムとは両社が持つ商品データベースとAR技術を活用した「ARコマース」のチャレンジも検討していくという。

「(ARを活用したレイアウトのシミュレーションやコマースに関しては)たとえば家電のように、家具以外の商材も可能性がある。この領域は『価格.com』を一度チェックしてから商品を購入するユーザーも多く、ここと手を組めるのは大きい。両社のデータベースを使って、一緒にARコマースのチャレンジをしていきたい」(井上氏)

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TechCrunch Japan

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