AWSが変化するデータを自動で更新できるData Exchange for APIsを公開

開発者は、他社のデータセットを利用して機械学習モデルを構築することがよくある。他社のデータセットを自分のモデルに追加するのだ。しかしデータは常に静的であるとは限らない。そのため、余分な作業ではあるが、何らかのパイプラインのようなものを構築して定期的にデータを集めることになる。

米国時間11月30日にラスベガスで開催されたAWS re:Inventで、AWSはAWS Data Exchange for APIsを発表した。これは変化する他社APIを自動で更新できる新しいツールで、更新の仕組みを構築する必要がなくなる。

AWSのAlex Casalboni(アレックス・カサルボニ)氏は同社プログの投稿で、APIを使うことによりデータサイエンティストはパイプラインがなくても株価のように頻繁に変化する情報をもとにして質問の答えを得られるようになると指摘している。APIが1つだけならこれでいいが、複数のAPIを使う場合はAPIに関する通信や認証、ガバナンスなど新たな問題が発生する。

AWS Data Exchange for APIsはこのような問題の解決に役立つ。カサルボニ氏はブログで「本日、AWS Data Exchange for APIsの公開を発表し、うれしく思っています。これはAWSのSDKを使って安定したアクセスで他社APIを見つけ、購読し、利用できる機能です。AWSネイティブの認証やガバナンスも一貫して利用できます」と述べている。

ここで重要なのは、今週発表された多くのツールと同様にこれもAWS独自のツールであるという点だ。アプリケーションやデータモデルをAWS上で構築しているなら、このツールでAWSのSDKにアクセスし、AWSの認証やガバナンスのツールを利用して、他社APIのアクセスと更新を自動化できる。

データプロバイダにもメリットがある。Data ExchangeのカタログにデータプロバイダのAPIが掲載されれば、多くの開発者の目に留まりデータソースを利用してもらえる。カサルボニ氏は「データプロバイダはOpenAPIの仕様でAWS Data ExchangeカタログにAPIを掲載し、Amazon API Gatewayのエンドポイントに配置することで、膨大な数のAWSのお客様にAPIを発見してもらえるようになります」と説明した。

Variety Business Intelligence、IMDb、Foursquareなど多くのプロバイダがData Exchangeでデータを提供している。ツールは開発者とAPIプロバイダの両方を対象に、米国時間11月30日から公開が開始されている。

画像クレジット:Blue Planet Studio / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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