AWS上のサーバーのセットアップと管理が超簡単になるCloud With Meのらくちんサービス

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AWSについて、使いやすいという声を聞いたことは、過去に一度もない。Amazonのクラウドコンピューティングプラットホームはとても強力で、毎日のように機能がアップデートされているが、そのパワーとともに大量の複雑性を抱え込んでいる。一台のマシンにWordPressをインストールしベーシックなセットアップをする、という一番単純な使い方でも、AWSの管理コンソールは初心者を十分にびびらせる。

Cloud With Meはこのプロセスを、わずか数クリックで済ませてくれる。自己資金だけでスタートした5人のチームは、仮想マシンによるホスティングサービスという古い世界とクラウドを、橋渡しする。Cloud With MeのファウンダーでCEOのGilad Somjenは、こう説明する: “古いホスティング企業とAWSのあいだにはギャップがある。みんなクラウドへ移行したがっているのだが、それが彼らには難しすぎるのだ”。

Cloud With Meのインタフェイスからユーザーはまず、自分のサーバーを置くリージョンと、サーバーのインスタンスタイプ、一緒にインストールしたい関連ソフト(アドオンソフト)を指定する(WordPress, Drupal, Magento, メールサーバー, データベース, FTPサーバー, などなど)。AWS上のドメイン取得という面倒な作業も、ドメインネームを指定するだけで、あとはCloud With Meがやってくれる。そしてそのほかのAWS関連の情報を入力してやれば、サーバーの起動準備は完成する。いったん動き出したサーバーの管理も、お望みならCloud With Meに任せてもよい。

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Cloud With Meのダッシュボードは11の言語で提供されていて、AWSの管理コンソールよりも多い。

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AWSの課金は、AWSからユーザーへ直接来る。Cloud With Meは、いっさい関与しない。同社自身の収益は、WordPressなどアドオンソフトのインストールサービスへの課金だ。その単価が、月額3ドル99セント。本誌の読者が’tc30’というコードで7月31日までにサインアップすると、その料金が30%引きになる。

しかしもちろん、アドオンソフトのインストールはあとで自分でやってもよい。アドオンをまったく使わないアプリケーションも、ありえる。Cloud With Meの無料プランでは、サーバーのみを最大5台まで管理できる。

Cloud With Meのアドオンライブラリはまだかなり限られているが、Somjenは、今後どんどん増やす、と言っている。

Somjenによると、AWS自身は大規模なエンタープライズユーザーがメインの顧客だから、自分ではCloud With Me的なサービスを提供する気がない。“AWSにとっては、WordPressのサイトをひとつだけ動かしているようなクライアントは、眼中にないんだね”、と彼は言う。

数か月前にひそかにローンチしたCloud With Meだが、それでもここで新たにAWSのアカウントを作ったユーザーが3000名/社近くいる。AWSも同社を無視できなくなり、今ではCloud With MeはAmazonの公式パートナーだ。

Cloud With Meは、サーバーのセットアップを肩代わりしてくれるけど、ぼくの個人的感想としては、毎月の課金に大きな影響を与えるリージョンやサーバータイプの選択も手引してくれるとありがたい。こういう指定にすると、これぐらいの課金額になるよ、という試算もやってくれると、嬉しいけどね。

セットアッププロセスの第二段階、AWS情報の入力とか、Cloud With Meに自分のAWSサービスへのアクセス権を与える段になると、初心者にはちょっと難しくなってくる。Somjenは、この部分ももっと簡単にしたい、と言っているが、今のところは、第一段階の超簡単さに比べて、AWSのアクセスキーを見つけるとか、Cloud With Meのためのパーミッションを作るなんてあたりは、AWSについて何も知らなかった人ならびっくりするかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

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