bento.jpは単なる弁当デリバリー屋にとどまるつもりはない

「単なる弁当デリバリー屋にとどまるつもりはない」。bento.jpを運営するベントー・ドット・ジェーピー社長の小林篤昌は創業当初、こう語っていた。その言葉通り、いよいよ弁当以外の商材を扱うこととなった。オイシックスと協業し、主菜と副菜が20分で作れるレシピと食材の献立セットを期間限定で配送する。ランチタイムに自転車で弁当を届ける配送網を、16時以降の「空き時間」に有効活用する狙いだ。売り上げは両社でシェアする。

サービス名称は「KitOisix by bento.jp」。8月25日から29日までの16時以降、bento.jpのアプリ内から2人分の主菜と副菜のセットを注文できる。メニューは日替わり。初日となる25日は、主菜が「豚肉のこっくり照り焼き」、副菜が「ほくほく!ツナポテト」となっている。価格は配送料込みで1400円、配送エリアは弁当と同じで渋谷区と港区の一部エリア。注文から40分以内に届く。

bento.jpはスマートフォンで注文してから20分以内に弁当が届くサービスとして、2014年4月にサービスを開始。iPhoneアプリで住所や電話番号、メールアドレスなどを事前に登録した上で注文すれば、20分以内に自転車で指定の場所に弁当を届けてくれる。現在は常時10人以上のスタッフで配送する体制を整えている。

今後は自転車の配送網を有効活用すべく、食以外の商材も扱っていきたいという。ちなみに小林は、7月に福岡で開催されたイベント「B Dash Camp 2014」において、弁当以外の商材として「医薬品」を候補に挙げている。薬が欲しいタイミングでは家から外に出るのが困難なためだといい、実現すればニーズはありそうだ。

消費者が必要なモノやサービスを必要な分だけ即座に購入できる「即日配達ビジネス」は、GoogleやAmazon、eBayといったアメリカのIT業界の巨人が続々と参入している分野だ(関連記事:GoogleやAmazonも参入、熾烈を極める米国の即日配達ビジネス、日本の可能性は?)。

日本ではヤフーも参入。東京・豊洲地区の実店舗と提携し、Yahoo!ショッピングで注文してから2時間以内で商品を届ける「すぐつく」の実証実験を5月に開始した。同社執行役員の小澤隆生は5月、札幌で開催されたイベント「IVS 2014 Spring」で「大赤字」と赤裸々に語りつつ、その狙いを明かしている。(関連記事:ヤフーが大赤字でも「2時間配送」にこだわる理由)。ベントー・ドット・ジェイピーも「数時間配送」のネットワークを強化していくようだ。

photo by
David Rader II


投稿者:

TechCrunch Japan

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