Birdがシェア用電動自転車をローンチ、シェア事業者向けアプリも公開

Bird(バード)は、世界の250以上の都市で展開しているeキックスクーター(電動キックスクーター)に加えて、シェア用電動自転車(電動アシスト自転車)を導入することを発表した。また、シェアマイクロモビリティを提供するBirdは、地域のシェア自転車や電気モペットのプロバイダーたちや交通機関のアプリが、Birdのアプリを統合することができる「Smart Bikeshare」(スマートバイクシェア)という名のプラットフォームを同時に立ち上げた。

Birdの創業者でCEOであるTravis VanderZanden(トラヴィス・ヴァンダーザンデン)氏は声明の中で「シェアeキックスクーターは、世界で1億5000万回のゼロエミッション移動を提供し、シェアマイクロモビリティを都市における環境にやさしい交通手段の中心へと押し上げました」という。「私たちは、都市と移動者の間で急速に高まっている、持続可能な交通手段への要求に応えるため、シェア方式のBird Bike(バードバイク)とSmart Bikeshareのプラットフォームを立ち上げました。私たちが拡大したい市場では年間50億回の移動が予想されています」。

今回の発表は、Birdがバッテリーが改善された新型キックスクーター「Bird Three」(バード・スリー)を発表してからわずか1カ月後のことだ。同社の広報担当者によると、マイクロモビリティの巨人であるBirdの電動自転車は、最初の市場の1つとして2021年後半にオハイオ州クリーブランドで展開される予定だ。Birdの声明によると、この電動自転車は2021年、北米、イタリア、スペイン、ドイツ、アイルランド、フランスの一部の都市で利用可能になる予定だ。Birdは、ローンチする電動自転車の台数や具体的なローンチ日程については言及していない。

またBirdは、この電動自転車が同社で設計・製造されているのかどうか、または設計・製造されていない場合には、どのメーカーと協力しているかについても回答をしていない。

Bird Bikeは、75ポンド(約35kg)のフレームにステップスルーデザインを採用していて、20%の勾配のある坂道でも登ることができるという。前カゴ、大きな空気式タイヤ、そしてBirdの乗り物に必要なジオフェンシング(地域限定機能)や診断機能が搭載されている。

Bird Bikeは、Birdの最初の自転車ではない。2019年の夏には、同社はBird Cruiser(バードクルーザーを発表した)。これは自転車とモペットを掛け合わせた、2人乗りの電動自転車だ。しかし同社の広報担当者は、パンデミックが発生した2020年、この試験的な試みを中止することにしたと語っている。

すでにBirdの自転車シェアプラットフォームは、イタリアのeモペット会社「Zig Zag」との間で協業が始まっていて、Birdのアプリ内では、Zig Zagの車両と一緒に表示される。Birdは、世界中の他のマイクロモビリティ企業と協力していきたいと考えており、たとえば米国内ではNorth American Bikeshare Association(北米バイクシェア協会)などの団体と交渉を進めているという。

だがBirdは、Birdのアプリで予約された場合に、現地オペレーターの利益の一部を受け取るかどうかについての質問には答えなかった。

同社の発表によると、Birdのバイクシェア・プラットフォームにより、同社は「地域のシェア自転車やeモペットのプロバイダーと統合した最初のキックスクーター事業者」となる。またBirdは現在のところ、サードパーティのeキックスクータープロバイダーを自社アプリに統合する予定はないということだ。

Birdが地域のeキックスクーター事業者と提携せず、電動自転車や電動モペット事業者とプラットフォームを共有するならば、実際に複数事業を立ち上げるという苦労をすることなく、複数事業の存在感を示すことができるだろう。少なくとも、これらのコラボレーションにより、Birdは、乗り手ががどこでどのようにさまざまな車両を利用しているかをよりよく把握することができる。これは、Birdが投資すべき新たなモビリティ形態を決定するのに役立つだけでなく、特にヨーロッパにおけるBirdの拡大計画にも役立つだろう。

Birdは、これが同社のバイクシェア・プラットフォーム戦略の一環であるかどうかには答えていない。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Bird電動キックスクーター電動自転車

画像クレジット:Bird

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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