BMW、Mの伝統とロックスターの美学を融合させたV8ハイブリッドSUVを開発

BMWは、高性能なMシリーズの50周年を、ありきたりなコンセプトカーで祝うことはできなかった。その代わりに、このドイツの自動車メーカーは、V8パワーとネクストレベルのMデザインを融合したプラグインハイブリッドコンセプトによって、David Lee Roth(デイヴィッド・リー・ロス)が誇りに思うようなロックスターの美学をとりいれた。

社内で「ロックスター」というコードネームで呼ばれている(これについては後述する)XM SUVプラグインハイブリッドコンセプトは、史上2番目のMシリーズ専用車だ。

2021年11月初めにTechCrunchがロサンゼルスで覗き見したXM SUVは、コンセプトカーで終わることはない。規制に準拠するために多少の調整を行った後、2022年に生産が開始する。同社によると、XM SUVは、11月初めにロサンゼルスで公開された奇抜なコンセプトカーにかなり近いものになるという。これは、外向的な人にとっては朗報だ。

BMW XMは、BMWのSUVラインアップとMシリーズの遺産からヒントを得ているが、それらのデザインを大胆に補完している。ラインはよりアグレッシブになっている。猫のようなLEDライト、ガラスに刻まれたBMWのロゴ、そしてMクワッド・エキゾーストを備えたこのコンセプトのリアエンドは、BMWの他のラインアップとは異なる。パイプが水平に配置されているのではなく、六角形のエキゾースト・チップがワイド・ディフューザーの両側に垂直に取り付けられている。また、フロントの大きなキドニーグリルには、LEDを使用した独自の処理が施されている。

このクルマのすべてが「俺を見ろ!」と叫んでおり、 それこそが、まさにBMWが目指していたものだ。

画像クレジット:BMW

「お客様からのフィードバックは、私たちのクルマを本当に愛しているということです。しかし、その次のステップは、彼らはさらに表現力のあるぜいたくさをクルマに望んでいるのです」と、BMW Mの取締役会長であるFranciscus van Meel(フランシス・ファン・ミール)氏は、このクルマの発表の際に述べた。

BMWによれば、これらの顧客は、外向的で表現力豊かな、型にはまらない人たちで、XMをランボルギーニ・ウルスやメルセデスGクラスと比較検討する可能性が高いという。ただし、BMWは現時点で価格を公表していない。

そして「俺を見ろ」と叫んでいる外観に勝るとも劣らないインテリアがある。

画像クレジット:BMW

内側で起きていることに比べて、外観は基本的に2000年代半ばのトヨタ・カムリだ。フロントローは、BMWが「ビンテージ・ブラウン」と呼ぶレザーで覆われており、パフォーマンスとドライバーの志向に特化したものになっている。リアシートは?Russel Brand(ラッセル・ブランド)のベッドルームを想像したら、それが、BMWがXMの後部座席に乗る人のために準備したものだ。後部座席とフロアは、それぞれブルーとグリーンのベルベットで覆われており、ラウンジのような雰囲気を醸し出している。欠けているのは、ラバライトと茶色を取り除いたM&Msのボウルだけだ。

運転席と助手席の上には、クリスタル構造のヘッドライナーがある。側面からの間接照明で、ライトアップされると、本当に芸術作品のような、いや、プラネタリウムのレーザーショーのような感覚になる。

もしBMWがTame Impala(テーム・インパラ)の最新アルバムに合わせてライトを点灯させることができれば、特定の音楽ファンやハーブサプリメントのファンを獲得することができるだろう。

画像クレジット:BMW

このローリングミュージッククラブのようなクルマは、BMWのV8エンジンとプラグインハイブリッド技術を融合させたものだ。パワートレインは、750馬力と737ポンドフィートのトルクを発揮する。BMWは、バッテリー容量については明らかにしていないが、EV専用モードでのEPAテストによる航続距離は30マイル(約48km)を目標としていると述べている。これは、トヨタの製品に匹敵するものではない。しかし、多くの関心を起こすことなく、静かに会場を後にするには、十分すぎるほどの機能だ。もちろん、誰かがデザインや輝くキドニーグリルに注目しなければの話だが。

画像クレジット:BMW

BMW Mデザインの責任者であるMarcus Syring(マーカス・シリング)氏によると、XMは常に特別なものになる予定だった。BMWの取締役会は、デザイナーに予想外のものでショックを与えて欲しいと具体的に要請した。

「BMWは継続的にこれらの特定のハイテクモデルをつくっており、i3やi8だけでなく、iXでも新しい分野を探求しています」と、シリング氏は夜の終わりにTechCrunchに語った。「私たちは何かを探求しています。あのクルマ(XM)も同じです。とてもユニークで、新しいことを試しています」。

自動車の販売でロックスターやその音楽を利用することが多い業界において、BMW Mは、元ヴァン・ヘイレンのフロントマンであるデイヴィッド・リー・ロスに相当するクルマを製作した。大声で、派手で「挑戦する」準備ができており、最後にはベルベットであなたを抱きしめてくれるのだ。

画像クレジット:BMW

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(文:Roberto Baldwin、翻訳:Yuta Kaminishi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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