CBS Newsが「60 minutes」スタイルの短い番組をQuibiで配信予定

映画プロデューサーでドリームワークス・ アニメーションSKGのCEO、Jeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏が4月に立ち上げたストリーミングサービスのQuibiが、CBS Newsと提携して「60 minutes」スタイルの番組をネット時代に合わせた現代的なショートビデオにして配信することになった。「60 minutes」は1時間のニュースマガジン番組だが、CBS Newsは「60 in 6」(60分を6分で)を制作する。オリジナルのニュースストーリーをモバイルデバイス用として6分間のエピソードに圧縮した番組だ。

Quibiとのライセンス契約により、60 Minutesは毎週1本、オリジナルのストーリーを制作する。

60 Minutesのエグゼクティブプロデューサー、Bill Owens(ビル・オーウェンズ)氏は発表の中で次のように述べている。「60 Minutesのように、ストーリー性があり、深く掘り下げて調査するジャーナリズムにとって、新しい視聴者を得るのにもってこいの機会だ。デジタルの世界で足場を広げることがかつてないほど重要になっている中、我々は『60 In 6』を始められることに興奮している」。

Quibiと提携したニュースのパートナーは、CBSが初めてではない。NBCは、Quibiの番組専門のフルプロダクションチームを編成することになっている。朝晩、6分間のニュース番組などを制作する予定だ。一方、BBCとQuibiはミレニアル世代向けに5分間の国際ニュース番組を開発している。そしてESPNはスポーツハイライトとニュース番組の制作に合意したばかりだ。

Quibiを創業し取締役会長に就いているカッツェンバーグ氏は発表の中で「60 Minutesはこれまでも、現在も、これからも、ストーリーを伝えるニュースジャーナリズムの理想であり続ける。その才能とリソースを活かして新しい形で伝えられることになり、Quibiにとってこれほどうれしいことはない」と述べている。

Quibiが配信するのはニュース番組だけではない。サム・ライミやギレルモ・デル・トロなどの有名タレントが出演するエンターテインメント番組が予定されている。さらにSnapchatの成功の軌跡、アクションスリラー、殺人ミステリー、カースタントシリーズ、コメディ、ドラマなども配信される予定だ。

Quibiは、プレミアムなコンテンツを短時間で「つまみ食い」できるように作り、モバイルの利用者向けに縦長と横長の両方の動画を配信しようとしている。基本的な考え方は、Snapchat世代向けのNetflixを作ろうということだ。これはリスキーな試みではある。狙っている年齢層であるY世代(一般に1980年代前半から1990年代中盤生まれ)やZ世代(一般に1990年代中盤以降の生まれ)は、高品質なエンターテインメント作品のサブスクリプションはNetflix、クリエイターが作ったカジュアルなビデオならYouTubeでだいたい満足しているからだ。

Quibiは、サブスクリプションのビデオはモバイルデバイスではなく今でもテレビで視聴されているという事実を無視しているようにも見える。そしてユーザーのスマートフォン上では、多くのアプリやゲームと戦わなくてはならない。Apple Arcadeから新しいタイトルが出てくるし、YouTubeやInstagram、TikTok、Snapchatなど時間つぶしをするものはたくさんある。

そこでカッツェンバーグ氏は業界からQuibiに対して多くの支援を受けている。同社はディズニー、ワーナーメディア、21世紀フォックスなどからすでに10億ドル(約1080億円)を調達し、さらにこの額を増やそうとしていた。今年の夏にはサービス開始前に広告を販売し、1億ドル(約108億円)の予約があった。

Quibiは2020年4月にサービスを開始し、その時点で「60 in 6」も配信される。サービスの利用料金は月に5ドル(約540円)、広告なしの場合は8ドル(約860円)の予定。

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(翻訳:Kaori Koyama)