CES 2019の主役はメンタルヘルスだった

先週ラスベガスのコンベンションセンターでは今年最大の新製品の数々が展示された。しかしここ数年、サンズ・ホテルが本当の魔法の起こる場所になった。ショウの中でユーレカ・パークと呼ばれる場所には、スタートアップやアクセラレーターが集結し、まだ数年先と思われる製品を披露するも多い。

ざっと見渡した限りでも、業界最大のトレンドが大きく取り上げられていた。昨年からの持ち越しも多かったが——スマートホームとウェアラブルが今回も支配的だった——今後数年間にテクノロジーが向かう先を予感させるものもあった。

この一年間に急上昇した大きなトレンドのひとつが、メンタルヘルスだ。睡眠、くつろぎ、集中、瞑想などの製品が立ち並び、5フィート歩く間に売り込みに合わないことは難しい。なかには、Museの瞑想・睡眠ヘッドセットのように見慣れた顔(少なくともわれわれには)もあったが、山ほどの新顔がそろった。

こうした製品の多くは、数年前大流行したフィットネス・トラッカーの拡張ともいえる。スタートアップたちは、まずわれわれに体を鍛えさせ、次に睡眠を監視し、ついには人の精神状態を追跡しようとしている。基本的脳活動などを追跡するセンサーの利用が容易になったことが、精神健康のコンセプトを推進する後押しになっている。

もちろんこれは価値ある大義である。この数年間、さまざまなテクノロジーの増殖によって、われわれの体と脳はかなり手荒い扱いを受けてきた。テクノロジーがそれを改善できたらすばらしいと思わないだろうか?

多くのケースで効果は明白。長年にわたる研究の結果、静かに座って瞑想しているだけで、ストレスレベルやメンタルヘルスが改善させることがわかった。そういう製品を使って習慣づけができるのはよいことだ。しかし、そこにはフィットネスよりもいっそう多くの詐欺商法が蔓延している。

ここは当然FDAが役割を果たし、検証されていない医学的効果を謳ってはならないことを徹底すべきだが、結局ほとんどの負荷は結局ジャーナリストと消費者にかかってくる。この分野では、プラセボ効果が重要な要素になってくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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