CG業界に特化したマッチングプラットフォーム目指す「CGクラウド」

CGクリエイター向けに3DCG作品投稿サイト「CGクラウド」を提供するTANOsim(タノシム)は7月17日、同サイトをギャラリーサイトとしてフルリニューアルしたと発表。CG業界に特化したマッチングプラットフォームを目指し、さらに機能追加を図っていく。

TANOsimは2016年12月の設立。同社代表取締役社長の森本高廣氏はCG業界で15年の経験を持つ。3DCG制作のアニマでアートディレクターを務めた後、中国・大連で関連会社立ち上げにも参画。そうした中で「離れていても、どこでもいつでもCG制作の仕事を依頼できる環境ができないか」と考えたことが、TANOsim創業のきっかけとなった、と森本氏は話す。

「CG自体は制作に最新の技術を要する。またVR/ARなどの登場で需要も高まっている。ところが、仕事の進め方はアナログなまま。受注発注の仕組みも旧来のままで、クライアントはクリエイターの見つけ方や発注先がわからない。そこで、CGクリエイターのためのプラットフォームを開発しようと考えた」(森本氏)

CGクラウドは、最終的にはクリエイターと制作を依頼したい企業とのマッチングを目指している。「まずはクリエイターが集まれる場を提供したい」ということで、2017年8月にベータ版をリリース。約1年経った今回、各クリエイターの作品が一覧できるギャラリーサイトとしてリニューアルを行った。

CGクラウドのクリエイタープロフィール画面サンプル

クリエイターが作品投稿できるサービスとしてはpixivなどもあるが、森本氏によると「フルCGをアップできるサービスは国内ではCGクラウド以外にない」とのこと。

現在は300名の登録クリエイターに、TANOsimが依頼された仕事をアナログな形で紹介し、実プロジェクトをこなすことで収益を得ているが、「ゆくゆくはクリエイターへの仕事依頼や作品管理ができるプラットフォームとしてCGクラウドを強化し、手数料などで収益を得るビジネスを目指す」と森本氏は語る。

TANOsimでは、2017年8月にEast Venturesデジタルハリウッドから約1500万円、2018年4月には大和企業投資KLab Venture Partnersから約5500万円を資金調達している。日本政策金融公庫からの融資も合わせると、これまでの調達総額は約8500万円となる。

調達により、エンジニア、デザイナー、セールス採用の強化を図っていく、という森本氏。「クリエイターが未来を見られる形を(プラットフォームとして)作っていきたい」と話している。

TANOsim代表取締役社長 森本高廣氏

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TechCrunch Japan

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