Clubhouseが後からも聞けるようになってシェアしやすく、録音、共有など4つの新機能追加

米国時間9月30日、Clubhouseは4つの新機能を発表した。「Clips(クリップ)」「Replay(リプレイ)」「Universal Search(ユニバーサル検索)」およびAndroid版「Spacial Audio(空間オーディオ)」だ。これらの機能はReplay(10月に公開)を除いて本日公開される。追加された機能は、ライブ配信が終わったあとでもコンテンツを利用できるようにすることで非同期のエンゲージメントを可能にし、Clubhouseのリーチ拡大に役立つことが期待される。

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「Clips(クリップ)」は、公開ルームのライブリスナーがオーディオの直近30秒間を録音して自由にシェアできる機能だ。つまり、スピーカーが特別スマート(あるいはそうでない)なことを言ったとき、それをクリップしてルームへの参加リンクとともにシェア可能な瞬間を作ることができる。クリップしたものは他のソーシャルメディアプラットフォームでもシェアできる。ホストは自分のルームでリスナーがクリップを作れるかどうかを決めることができる。クリップ機能が有効になっていれば、ユーザーはハサミアイコンをタップして作ることができる。

Clubhouseは、文脈を無視して30秒のオーディオクリップをシェアさせることの危険性をすでに認識している。悪意あるユーザーが話者の真意を妨害するクリップを作る可能性がある(「the museum is always free on Friday」と言ったものが、「the museum is always free」で切られるかもしれない。Clubhouseはこれよりもさらに悪質な事例を懸念している)。このためClubhouseは、この機能のベータ版をまず少人数のクリエイターグループ向けに公開する。同サービスはその短い歴史の中でもコンテンツの適正管理苦闘しており、最近では、複数の医師がワクチン反対派の嫌がらせを受けてアプリから追放された。こうした事情を踏まえると、Clubhouseがこの機能を慎重に公開しようとしていることは理に適っている。

画像クレジット:Clubhouse

「Universal Search(ユニバーサル検索)」は、Clubhouse上での発見しやすさを改善する。ユーザーは検索バーにキーワードや名前を入力して、関連のあるルーム(ライブ、スケジュールド共)、人物、クラブ、略歴などを見つけることができる。そしてClubhouseは、iOSユーザーからの好意的フィードバックを受け、Spatial AudioをAndroidでも提供する。しかしこうしたさまざまな機能アップデートがなされる中、Clubhouseは未だにライブ字幕機能を提供しておらず、聴覚障害者の利用を妨げている

今回の新機能の中で、「Replay(リプレイ)」はアプリにとって最大の変革だ。クリエイターはルームを録音して自分のプロフィールやクラブに保存したり、ダウンロードした音声をポッドキャスト・フィードなど、外部でシェアすることができる。ホストとモデレーターはルームの録音を可能にするかどうかを選択できる。

9月初めに元PayPal(ペイパル)COO(最高執行責任者)のDavid Sacks(デビッド・サックス)氏は、Clubhouseのライブオーディオルームに似た機能の「ソーシャルポッドキャスティング」アプリであるCallin(コーリン)を公開し、そこではアプリで音声を保存、編集してポッドキャストにすることが可能だ。続いてTwitter(ツイッター)も、スペースの録音機能を追加すると発表した。今回Clubhouseのリプレイが加わったことで競争はますます激化するだろう。

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Clubhouseは独自の「Creator First(クリエイター・ファースト)」プログラムを通じてライブ・オーディオ・クリエイターにアピールしようしているが、その試みは期待に届かなかったことが報じられている。しかし、もしClubhouseがクリエイターにアピールしたいのなら、オーディオの保存とシェアを可能にするこの簡単な方法によってホストをプラットフォームに引き止めることができる。Clubhouseのようなアプリの魅力はライブ体験をシェアできることだが、非同期リスニングを許すことでクリエイターがオーディエンスを増やす後押しができる。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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