CMU、スマートフォンだけで3Dモデリングができるシステムを開発

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研究者らによって、一般的なスマートフォンのカメラと加速度計を使って、3D空間の物体を測定するテクノロジーが作られた。カーネギーメロン大学(CMU)で開発されたこのシステムは、物体や景色に向かってスマホを振りかざすだけで「世界の3Dモデル」を作ることができる。

加速度計は、慣性計測装置(IMU)とも呼ばれ、ソフトウェアにスマートフォンのおおざっぱな空間的位置を伝える。IMUには雑音が非常に多く、端末の正確な方向を一定の精度で測るの目的には殆ど使えないが、カメラと組み合わせることによって、はるかに有用な結果を得ることができる。

「今まで想像できなかったほど安いセンサーで、高い精度を得ることができた」とCMUロボット工学研究所専任研究員、Simon Luceyがリリース文で言う。「顔追跡プログラムを使うことによって、人間の瞳孔間の距離を0.5 mm精度で測定できる。こうした測定技術はメガネフレームのバーチャルショッピング等のアプリケーションに応用できる」。

このシステムはコンピューターの視覚能力を高め、それはスマートフォンだけで、およそどんな物体の3Dモデルでも作れる可能性があることを意味している。研究者らは、これを自動走行車に利用し、高価で「電力を食う」レーダーを置き換えることを期待している。チームはこのテクノロジーを使って、Smart Fitと呼ばれる、顔にぴったりなメガネフレームを見つけるシステムを作った。

「この安価なIMUで作られる軌跡は、時間と共に『ドリフト』していくが、われわれの作るビジョンエレメントは非常に正確だ。このため、モデルの寸法を概算するためにIMUを使う場合でも、3Dモデルを使ってIMUによる誤差を修正することができる」とLuceyは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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