Compassが世界中のスタートアップ都市の最新ランキングを発表

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サンフランシスコに拠点を置くCompassは、世界中のスタートアップにベンチマークソフトウェアとレポート作成を助けるサービスを展開している。三年前、三歳半だったCompassが発表した世界中のスタートアップのエコシステムに関するレポートは多くの人の目に留まった。

25カ国に渡る200以上の起業家とのインタビューと1万1000のスタートアップのアンケートを実施し、CrunchBase、Deloitte、Dealroomといった優良パートナーの協力を得て、大量のデータから得た洞察をCompassは、スタートアップシーンの現状をまとめ、興味深いレポートを今回新たに発表した。このレポートは世界のどのスタートアップ都市が盛り上がっているかを中心にまとめてある。

今回のレポートはここから見ることができる。発見が多い内容だ。時間が限られている人のために、重要な部分を記載する。

1.) スタートアップのエコシステムは、以前に比べると国際的になったとCompassは伝えている。レポートによると、2013年と2014年に行われた上位20のエコシステムの資金調達ラウンドの37%に他の地域の投資家が最低一社は参加していた。(北アメリカでは、この数字は更に高い41%だった。)

昨年、スタートアップで2つ目のオフィスを他の地域に設けたり、本社を別のエコシステムに移転させた数は、2012年の8.4倍も多かった。CompassのCEOである Bjoern Herrmannは、一例としてシンガポールは移転先に「とても良い場所」と言う。「クアラルンプールやジャカルタで起業した多くの企業が移転しています。投資家の資金がそこにあるのと、銀行口座を作るのも簡単で、法制を含め、他のことに関しても状況が整っているからです」。

国際的なチームの要素としてスタートアップが他国から従業員を採用した数が挙げられる。上位20のエコシステムでは、スタートアップで働く他国からの従業員は、企業の労働力の平均29%を占めた。シリコンバレーでは、平均45%だった。

2.) エグジット価格が上昇しているとCompassは伝えた。今回の発見では、上位20のスタートアップ都市のおけるエグジット価格は、2012年から2014年の間に78%上昇した。(買収によるエグジットは60%で、IPOは40%だった。)

成長率は連動しているとHerrmannは記している。最も注目すべきなのは、「シリコンバレーは過去2年間で47%の成長率を見せたが、他のエコシステムは更に急速な成長を遂げている」と私たちに話した。

例えば、ロンドンに拠点を置くスタートアップのエグジット価格は、2012年の4倍となり、ベルリンは20倍だった。その主な要因は、Rocket InternetZalandoの大規模なIPOによる。バンガロールでも昨年は2012年より5倍多くのエグジットが行われた。(シリコンバレーのスタートアップにとって慰めになるかどうかは分からないが、Compassによると成長率は時間の経過と共に偏りは少なくなると予想している。)

3.) 世界中どこのベンチャーキャピタリストもスタートアップに大量の資金を投じている。Compassによると上位20のエコシステムでは、2014年のベンチャーキャピタル資金は2013年の95%増加した。

ベンチャーキャピタル資金が最も増えたエコシステムはベルリンで2013年から2014年の間に、12倍の資金増加があった。バンガロールでは4倍、ボストンでは3.7倍、アムステルダムとシアトルでは2倍、同時期において各都市のスタートアップに投資されたベンチャーキャピタルの資金が増加した。

繰り返しになってしまうが、全レポートはこちらから見ることができる。上位20のスタートアップのエコシステムがどの都市か気になっている読者のために書いておく。パフォーマンス、投資資金と「才能」に基づいて上位からのランキングは以下の通りだ。シリコンバレー、ニューヨーク、ロサンゼルス、ボストン、テルアビブ、ロンドン、シカゴ、シアトル、ベルリン、シンガポール、パリ、サンパウロ、モスクワ、オースティン、バンガロール、シドニー、トロント、バンクーバー、アムステルダム、モントリオール。

Compassの ランキング表には2012年からの順位の変化も記されていて分かりやすい。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。