DeFiにおけるプライバシー確保のために、Sienna Networkが自動マーケットメーカーSiennaSwapを導入

DeFi(分散型金融)に未来があるならば、プライバシーを重視した金融ブロックチェーンプロジェクトの台頭は、非常に重要な意味を持つことになるだろう。人々は「通常の」金融生活においてプライバシーを期待するようになっている。ブロックチェーンや暗号資産の世界でも、それを期待するようになるのは当然だ。

そんな動きが始まっている気配を、我々が感じたのは2021年5月のこと。プライバシーを重視したスマートコントラクトプラットフォームであるSecret Network(シークレットネットワーク)ブロックチェーンが、Arrington Capital(アーリントン・キャピタル)とBlocktower Capital(ブロックタワー・キャピタル)から投資を受けたのだ。さらに同時期に、分散型金融企業のSienna Network(シエナ・ネットワーク)が、機関投資家や一般の支援者から1120万ドル(約12億5000万円)を調達したことも明らかになった。

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Siennaが前述のSecret Network上に構築されていることは偶然ではない。そして米国時間10月7日、Siennaはそのプラットフォーム上で動作する自動マーケットメーカー(Automated Market Maker)の「SiennaSwap(シエナスワップ)」を導入した。これによって、Siennaトークンの保有者は、トークンをプライベートな等価物に変換し、それを交換したり、流動性プールに預け入れたりして、利回りを得ることができるようになった。

これは、ユーザーが何をしているかを他人に見られてしまう取引所のプライバシーの欠如や、現在の暗号取引の重大な弱点である「フロントランニング」によるさや取りを、ユーザーが回避できるようになるということを意味する。

このプライバシーという点においては、Uniswap(ユニスワップ)やPancakeSwap(パンケーキスワップ)などのDEX(分散型取引所)も、暗号エコシステム上で効果を発揮している。しかし、SiennaSwapが差別化を謳っているのは、そのプライバシー保護機能で、フロントランニングの問題に対応していると、Siennaでは主張している。同社はCøsmos Ecosystemの一員でもあり、そこではほぼ毎日のように多くの新しいプロジェクトが立ち上がっており、多様性がさらに高まっている。

SiennaによるSiennaSwapの発表は、5月に行われた1120万ドルのトークンの非公開および公開セールに続くものだ。非公開セールでは、Magnus NGC(マグナスNGC)、Inclusion Capital(インクルージョン・キャピタル)、Lotus Capital(ロータス・キャピタル)、FBG、SkyVision Capital(スカイビジョン・キャピタル)などの投資家から1000万ドル(約11億2000万円)を調達した。

Sienna Networkが、カーボンフレンドリーなPoS(Proof-of-Stake、プルーフ・オブ・ステーク)ブロックチェーンであり、マイニングに大量の電力を必要とするビットコインのようなPOW(Proof-Of-Work、プルーフ・オブ・ワーク)ブロックチェーンよりも、はるかに少ないエネルギーしか必要としないことも、おそらく注目に値するだろう。

Secret Foundation(シークレット・ファンデーション)の創設者であるTor Bair(トー・ベア)氏は次のように述べている。「Siennaの発表は、SecretのDeFiエコシステムにとっても、DeFi全般にとっても、大きな転換点となります。デザインされたプライバシーをユーザーに提供することは、これらの新しい金融プラットフォームの安全性と拡張性を確保するために不可欠であり、つまりこれは、Siennaが新しい爆発的な成長を生み出す素地を作っていることを意味します」。

画像クレジット:Yuichiro Chino / Getty Images

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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