Dockerコンテナを非専門家でも使えるようにした学生プロジェクトKitematicをDockerが買収

Dockerのインストールを大幅にスピードアップするツールKitematicのファウンダたちにとってそれは、目の回るようなあわただしい旅路だった。それまで無名の学生だった彼らは、ウォータルー大学の近くのアパートで二年近く前に、そのツールを発想した。

ところがその三人…Jeff MorganとMichael ChiangとSean Li…が今日(米国時間3/12)は、急に、その小さな会社をDockerに売ることになったのだ(価額は非公開)。彼らは急遽旅支度をしてサンフランシスコに向かった。

Dockerは彼らに、Docker社内の独立の部門として仕事をしてもらうつもりだ。DockerのプロマネJusten Stepkaによると、プロダクトの強化のため、必要ならその部門が新たに社員を雇用してもよい。

現在Kitematicは、Mac専用のツールとしてDockerコンテナのインストールや管理を単純化してくれる。ふつうに手作業でやると30分から1時間ぐらいかかる仕事が、ほんの数分で済む。そしてインストールしたDockerコンテナは、ワンクリックでローンチできる。

Stepkaの考えでは、これまで高度な専門知識と技術を要すると思われて、多くの人たちが敬遠していたDockerを、彼らのツールにより、誰もが気軽に使えるようになる。一般的に、難しいソフトウェアでも良質なGUIがあれば使える、という人が多くいるが、Kitematicはまさに、そういう人たち向けのツールだ、と彼は述べる。

もちろんDockerは、KitematicをMacオンリーのツールで終わらせたくはない。彼らのDocker入社後の初仕事が、Windowsバージョンの開発になるだろう。

三人のファウンダは学生時代に、アプリケーションの展開や管理を大幅に単純化する仕組みとして、Dockerのようなコンテナ技術に強い関心を抱いていた。そして、その単純化路線をさらに一歩も二歩も前進させる方法はないか、と考えた。それが、Kitematicの発想の起源だ。

彼らはまず、クラウドとデスクトップを同期化するツールのプロトタイプを作り、そのデモビデオをHacker Newsにポストした。ところが、まだ完成していないそのツールに、700名のデベロッパがサインアップしようとした。

その後、数社でのインターンを経験しながら彼らは自分たちのプロダクトを磨き、Docker専用のオープンソースのツールとしてKitematicを完成させた。それはGitHubでスターを2600稼ぎ、デベロッパたちの関心の多さを示した。

Dockerもこれに目をつけて、彼らに接触してきた。

“彼らとはうまくやれそうだったから、Docker丸抱えにした方が良い、と判断した”、とStepkaは語る。

GitHub上でオープンソースで提供される形態は、前と変わらない。本質的にはほとんど何も変わっていないのだが、Stepkaによると三人は、瓢箪から駒で急にDockerの社員になってしまったことに、欣喜雀躍しているそうだ。

こないだまで学部の学生だった20代前半の三人の若者が、自分たちの作品で大きな市場を開き、見事なイグジットにこぎつけたんだから、偉い!としか言いようがないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


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TechCrunch Japan

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