eコマースブランドのウェブサイト立ち上げを支援するShogunが約11億円を調達

Amazon(アマゾン)の時価総額は1兆ドル(約112兆円)を超えているかもしれないが、Y Combinatorが支援するスタートアップのShogun(ショーグン)でCEOを務めるFinbarr Taylor(フィンバー・テイラー)氏は、eコマース大企業は「ヘマをしているようなもの」と話す。

特に、Amazonでの買い物体験は最悪だと彼は主張する。何かを購入した後のことではなく、ウェブサイトのブラウジングそのもののことだ。検索結果にはスポンサーがついたものやフェイクの製品が満載だと指摘する。「D2Cブランドの大きな波がAmazonの牙城に少しずつ食い込み、購入体験では上回っているのが現状だ」とテイラー氏は話した

Shogunはそうしたブランドをサポートしている。テイラー氏と共同創業者のNick Raushenbush(ニック・ラウシェンブッシュ)氏は2015年に初のプロダクトを作った。そして彼らは当初、それを副業としていた。しかしテイラー氏は「我々の自由時間を全てプロジェクトに費やし、明らかに予想していたものよりずいぶん大きなものになった」と2017年5月までに語っている。そして彼らは仕事を辞め(テイラー氏はY Combinatorでソフトウェア・エンジニアとして働いていた)、プロジェクトを本業とすることにした。

Shogunはいま1万1000社もの顧客を抱える。ここにはMVMTやK-Swiss、Leesaも含まれる。そして2月20日にShogunは、シリーズAで1000万ドル(約11億円)調達したことを発表した。本ラウンドはInitialized Capitalがリードし、VMG PartnersとYCも参加している。Shogunのこれまでの累計調達額は1200万ドル(約13億円)だ。

同社の最初のプロダクトであるPage Builderは、eコマースブランドがShopifyやBigCommerce、Salesforce、Magentoなどで簡単にショップを開けるようにドラッグ&ドロップのインターフェースとなっている。

Shogun Frontendという新プロダクトもある。ブランドがウェブショップを作れるようにするもので、バックエンドでは大手のコマースプラットフォームの1つを使いながらも完全にカスタマイズされている。

テイラー氏はこれを、eコマースのフロントエンドとバックエンドが別々に管理される「ヘッドレス・コマース」に向けた大きなトレンドの一部と位置付けている。これは「相互依存」のスプリットだと彼は考えている。Shopifyとその競争相手が、オンラインストアを運用するのに必要なインフラ構築を「かなり極めようとしている」一方で、Shogunはストアを訪れる顧客の実際の体験にフォーカスしている。

それとは別に、「SquarespaceやSquare傘下のWeeblyのようなウェブサイトビルダーはeコマース機能を導入したが、それらはまだほとんどのeコマース事業者にとって真の選択肢とはなっていない」とテイラー氏は見ている。

Shogun Frontendの主要機能の1つは、ネイティブアプリとして早くてスムーズであるべき進歩的なウェブアプリをつくることだと同氏は指摘する。Initialized Capitalのゼネラル・パートナーでShogunの役員メンバーであるBrett Gibson(ブレット・ギブソン)氏も声明文で似たような指摘をしている。

Amazonのような巨大企業と競争しているDTCブランドに、Shogun Frontendはかつて進取の企業だけが使うことができた機能と能力を提供する。スピードの点でいうと、Shogun Frontendの1秒未満のロードタイムは顧客を獲得するのかそれとも失うのかを分けるものとなる

Shogunは「Page Builderにも引き続き投資する」とテイラー氏は付け加えたが、Frontendのほうが顧客が時代遅れにならないようにサポートできる企業向けのものだと話した。

画像クレジット: Shogun

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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