E3 2021まとめ「Xbox Game Pass、ゼルダは息を吹き返す、ソニーはまた不参加」

E3 2021はE3 2022のお知らせで幕を開けた。そのちょっとおもしろい開幕の挨拶は、Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長による「2022年にはここ天使の街(Los Angeles)で、直接お会いできることを楽しみにしています」という言葉で締めくくられた。また、この市長のゲームショーアナウンスに使われた紙吹雪やミニオンの数が、州の再開を告げるスピーチのものよりも少なかったのはちょっとおもしろかったが、それはまた別のストーリーだ。

もちろん、E3の主催者が2022年の話題を真っ先に出したことは理解できる。2021年のショーは、この1年半の他の多くの物事と同様に、歴史的には異例の出来事だった。2020年のショーを心ならずもスキップした後、彼らは最初の、そしてとりあえずは最後の(つもりの)完全バーチャルイベントを実施した。

バーチャルイベントはいつでも良いアイデアのように思える、理屈の上では。だが実際には、コンテンツをはじめとするさまざまな要素によって、結果は大きく異なってくる。多くのイベントが、完全オンライン化には苦戦している。CESは、ショーの規模による理由もあるものの、内容的にも苦戦したと思う。なにしろ家電製品はどこにでもあるので、インターネット上では、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)以外の会社のプレゼンテーションを積極的に見たいという人はほとんどいないだろう。

関連記事:バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

E3にはその問題はない。数年前に、それまでの産業界のみを相手にするショーから、よりハイブリッドなショーへと移行していたことで、イベントはすでに有利な位置を手に入れていた。私が定期的に参加している他のイベントとは異なり、E3が開催されるとロサンゼルスのダウンタウンの人たちは、ちょっとした浮かれた雰囲気となる。誰もがゲーマーとなり、ほとんどの人が発表される何かのニュースに期待している。その週にはUber(ウーバー)やLyft(リフト)のドライバーは、喜んでその話をしてくるほどだ。

それは、この番組のオンラインでの存在感が絶大なためだ。予告編を見る人、予告編について議論する人、予告編についてストリーミングする人、自分のストリームで他の人の予告編について議論する人など、イベント前の数日間はE3関連のコンテンツがあちこちでトレンドになっていた。これは、特にパンデミックの中で、最新のXboxやPlayStationが発売される前でさえ、すでに業界が記録を更新していた1年の後では、バーチャルイベントを成功させるためのレシピといえるだろう。

ビッグ3の中では、マイクロソフトの圧勝だった。ソニーの場合、残念ながら勝負しないことには勝ちようがない。任天堂は堅実だったが、華がなかった。しかし、それについては後ほど説明する。

Xboxのプレスカンファレンスについては、前回の記事でかなりお伝えした。しかしひと言でいうなら、マイクロソフトは、膨大な物量とGame Pass(ゲームパス)タイトルという2つの側面で勝利を収めた。この最後のものは、私たちは現行世代のゲーム機の中では、銀の弾丸に近いものと感じている。近いうちにソニーも独自のバーチャルイベントを開催することになるだろうと思うが、同じやり方を真似するのは難しいと思う。

マイクロソフトがそのサブスクリプションサービスにすべてをまとめることに対して疑う向きもあったが、今回発表された全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)のうち、27本がGame Passで提供される予定だ。そしてもちろん、このイベントがマイクロソフトとBethesda(ベセスダ)のイベントとして開催されたという事実もあり、この巨大な買収がXboxの将来にとっていかに重要だったかを物語っている。

任天堂に関しては、正直に言おう。長い間噂されていたSwitch Pro(スイッチ・プロ)が発表されなかったことには失望した。4年前に発売された初代Switch(スイッチ)は、Switch Lite(スイッチ・ライト)やバッテリー追加などのマイナーアップグレードを乗り越えて、今や大きなアップグレードの必要な時期を迎えている。そろそろHDスクリーン登場のタイミングだ。もしそれが発売されたら、次のホリデーシーズンには爆発的に売れるだろう。

忘れてはならないが、Switchには2020年に華々しい出来事が起きた。当初はサプライチェーン上での供給が追いついていなかったが(これは現行の3社のゲーム機に共通して言えることだ)、待望の「あつまれ どうぶつの森」の新作が登場したこともあって、パンデミックの最中にSwitchは大成功を収めたのだ。ふわふわした動物たちが登場する、プレッシャーの少ないこのソーシャルなタイトルは、2020年、まさに世界が必要としていたものであり、任天堂は喜んでそれを提供した。

また、任天堂が新しい部品に関して、継続するサプライチェーンの問題に取り組んでいる可能性もある。ということでProが登場する可能性は高いと思われるが(参照:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の新作)、おそらく2022年まで待たなければならないだろう。

関連記事:任天堂「ゼルダの伝説 BoW」続編は2022年発売、ゼルダのゲーム&ウォッチも登場、新作「メトロイド」も

また、「ブレス オブ ザ ワイルド2」は来年まで待たなければならないが、少なくとも、多くの人に愛されている「ゼルダの伝説」が2021年登場する。もちろん、現行システムのためにも、すばらしいタイトルの数々が用意されている。いくつかのハイライトをご紹介する。

昔ながらの2D横スクロールが魅力の「メトロイド」の新作。

「ゼルダ」シリーズのゲーム&ウオッチ。

2017年から予告されていた待望の「真・女神転生V」。

100種類のミニゲームを収録した「マリオパーティー・スーパースターズ」は10月29日に登場。

「Super Monkey Ball Banana Mania」は10月5日に登場する。「Super Monkey Ball」の最高傑作だ。

前回紹介したスクウェア・エニックスとユービーアイソフトのラインナップに加えて、カプコンは「モンスターハンター・ストーリーズ2 破滅の翼」と「バイオハザード ヴィレッジ」の最新情報を提供した。

こんな感じだろうか。2022年、LAでお会いしよう。でも、ミニオンのコスチュームは家に置いて来た方がいいかもしれない(失礼、市長さん)。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:E3E3 2021バーチャルイベントMicrosoftXbox任天堂Xbox Game Passサブスクリプション

画像クレジット:任天堂

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。