eBay、チケット2次流通サイトStubHubの国際展開のためにTicketbisを1億6500万ドルで買収

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eBayは自社の中核事業となる形のある品物のマーケットプレイスの構築を継続する一方、他のビジネスやブランドの拡大にも投資している。今日(米国時間5月24日)、eBayはスペインのビルバオ拠点のオンラインチケットマーケットプレイスTicketbisを買収したと発表した。自社のオンラインチケットマーケットプレイスStubHubに統合する予定だ。その取引で、現在米国を主要拠点とするStubHubの海外市場、とりわけ欧州、中南米、アジア太平洋地域を中心にした47ヶ国の市場に拡大することになる。

取引の条件は公開されていないが、eBayに近い情報筋によると1億6500万ドルでの買収になったと言う。取引は2016年中頃にクローズすると予測されている。

1億6500万ドルという価格はTicketbisにとっては適切な報酬だろう。TicketbisはFabrice Grinda氏、Active Venture Partners、Jose Martin氏らを含む投資家から2600万ドル弱の資金調達を行っていた。2015年に売上高が2500万ドルとなり、2016年は4500万ドルのランレート(直近の業績をもとに予測される将来の業績)になるという予測も納得できる。Ticketbisは全世界で約400人の従業員を雇用している。

StubHubは最近、少し物議を醸す理由でニュースに上がっている。サイト上で偽チケットの掲載に対し、十分なチェックがないという申し立てがあったのだ。またこれとは別にイギリスにおいても、StubHubや他のチケット2次流通サイトが違法かどうかの調査がなされている。とりわけサイト上でのチケット販売や掲載された多くのチケットが券面額で提供されていたかどうかが焦点になっている。

大きい組織を持つことで、このような問題に影響を与えられるかことになるかどうかは興味深い。しかし、今のところ、彼らにとって最も重要なことは規模のようだ。Eコマースビジネスにとって基本的な考えだ。

「人生で最も豊かな瞬間は、所有しているものに関わることではなくなり、他の人と共有したいと思える体験に世界は移り変わっています。Ticketbisの買収で私たちは、さらに数百万の人々と感動的なイベントを結びつけることを可能にします」とStubHubプレジデントのScott Cutler氏は声明において語った。「素晴らしい体験への1つの障壁はアクセスです。この買収でStubHubは、さらに多くのイベントを世界的な規模で世界中のイベント好きな人やファンに提供することができるようになります。そして彼らの生活を豊かにする新たな方法を見つける手助けをします」。

「Ticketbisの買収はStubHubの国際的な展開を広げることを可能にします」eBay Inc.のプレジデント兼CEOのDevin Wenig氏はそう付け加える。「eBayの世界規模でのプレゼンスはStubHubにおって米国外の市場への拡大と同時に新しい顧客獲得の助けにもなるでしょう。この取引はStubHubへ投資し、彼らの勢いを加速するための支援を行うという決意を改めて示すものです」。

「StubHubの広範囲の資産は世界中のチケット購入の常連客やチケットの売り手にとって莫大な価値をもたらします。その上、他の初期市場に拡大し続けることは、なおさら価値の大きいことです」とTicketbisの共同創業者で共同CEO(もう1人のCEOは共同創業者のJon Uriarte氏)のAnder Michelena氏は言う。「StubHubとTicketbisのマーケットプレイスは共に世界中のファンに向けて彼らがいつ、どこにいても好きなイベントを体験できるという多大な価値と機会があることを示します。私たちはeBayの一員になることに興奮していますし、StubHubブランドの一部としてチケット流通におけるイノベーションを継続することを楽しみにしています」。

StubHub自体は、2007年にeBayが3億1000万ドルで買収した。StubHubの売上はeBayの大きなビジネスのほんのわずかでしかないが、成長している。前四半期、eBayは同社のプラットフォーム上の取引額の合計値、つまり総取引額(Gross Merchandise Volume)は205億ドルだったと報告した。その取引額のほとんどはeBay.comのサイトから来ているが、StubHubの総取引額は8億6900万ドル、収益は1億7700万ドルとなり、前年比34%増だったと報告した。

これからが本番である。

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(翻訳:Morimoto)

投稿者:

TechCrunch Japan

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