Echo Show 5はビデオ閲覧を重視する人向けのデバイス

Lenovo Smart ClockがCES開催中に発表されたとき、Echoチームは汗をかき始めたに違いない。シアトルのDay Oneビルの奥深くでAmazonは、LenovoのGoogleアシスタントデバイスにそっくりなAmazonのスマートスクリーンのパイントサイズバージョンであるEcho Show 5のリリース準備を進めていた。

もちろんAmazonは最初のEcho Showと刷新的なベッドサイドモデルEcho Spotで、この分野でGoogleをしのいでいる。しかしGoogleとその仲間たちには、Amazonに追いついて競争を制する手法がある。

Echo Show 5は完全なるナイトスタンド用としてデザインされていない。実際、このプロダクトはビデオの再生やカメラの搭載など、Lenovoのデバイスにはないいくつかの機能を搭載している(どちらの要素も結局は寝室をごたまぜにするようなものかもしれないが)。Show 5がどういう位置付けになるか、特にAmazonがSpotも展開している時、明確にするのは難しい。

丸い形という要素によりSpotはEchoファミリーの中で最も愉快な存在だ。しかしSmart Clockのように、新しいShowは四角デザインで背面がクロスに覆われているなどより洗練されている。5.5インチのディスプレイはSpotの 2.5インチよりずいぶん大きく、Lenovoの4インチよりも少し大きい。ナイトスタンドの上でより場所をとることになるだろうが、しかしそれも少しだけだ。Spotは丸いデザインのため、小さなスクリーンにかかわらずそれなりのサイズだ。

実際、ほとんどの点でShow 5は最新世代のSpotをなくてもいい存在にしている。正直、私はオリジナルのSpotを引き続き販売するだけでなく、同じ130ドルで(ミニShowより40ドル高い)販売を続けると聞いて、少し驚いた。Amazonは年末に向けてSpotの展開を見直すかもしれないが、在庫をその価格で売りつくすことにはならないだろう。

私の考えでは、ビデオ閲覧ができないという点でLenovoのデバイスは負けている。4インチのスマートディスプレイはビデオをみるには理想的ではなく、それはベッドサイドでは不必要な機能だろう。しかしYouTubeの統合はGoogleのスマートスクリーンの最大の強みの一つだ。Lenovoのデバイスではその点が生かせていない。

ShowではAmazonビデオの提供が付いてくる。しかしビデオのいい使用例は他にもある。私の頭に浮かぶのは、セキュリティカメラや赤ちゃんモニターからのライブストリームをみられるようにするという使い方だ。快適なベッドから出ることなく家の内外で起こっていることを映像で確認できるのは大きな魅力となるはずだ。

一方、カメラの搭載は誤りのように思える。Amazonが全てのプロダクトでビデオチャットを推進し続けていることは理解しているが、主に寝室で使うであろうプロダクトにカメラを搭載するのはおそらくその価値以上にトラブルにつながる。物理的なレンズキャップの搭載かわわかるように、Amazonは明らかにそうした要素とプライバシー問題を認識している。上部にあるスイッチを動かすことでキャップでレンズを覆うことができる。

レンズキャップは周辺の大きな黒いベゼルに対し、明るい白色をしている。スイッチのところには、カメラが遮断されたときに赤いマークが現れる。私はテストする間、ほとんどキャップをつけていた。一応、念の為に。

Smart Clockが秀でているのはナイトテーブルのためにデザインされた機能だ。新しいShowにも「Alexa, start my day」といったルーティンを含め、そうした機能は少しある。この文言のあとに、天気や交通情報、カスタマイズされたニュースセレクションなどさまざまな情報が続く。これはベッドから出るように促す素敵なブレンドだ(ニュースは頭からシーツを被りたくなる連鎖反応を引き起こすかもしれないが)。Showにないのは、ゆるやかに覚醒を促す目覚まし機能と、スヌーズ機能、寝ている間にスマホを充電するためのUSBポートだ。

Show 5とSmart Clockのどちらを選ぶかは、どのスマートアシスタントを好むかによる。私の考えでは、Googleのアシスタントが勝るが、どちらもほとんどのタスクをほぼ同じレベルでこなす。そこには、中級のスピーカーを使ったスタンダードのマルチメディアの提供やスマートホーム機能が含まれる。後者については、GoogleがNest Hubでいかに引き続き磨きをかけるか興味深いところだ。

90ドルという価格で、Show 5は10インチのものより比較的安く、Lenovoのものよりは10ドル高い。少なくともLenovoとの価格差は取るに足りないものだろう。簡単にいうと、2つめの目覚まし時計となるスマートホームハブを探しているならLenovoのものがうってつけだろう。もしビデオ再生やビデオチャットが大事であれば、Amazonのものが希望に沿うものとなる。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。