Electroloomの「布地用3Dプリンター」は、あらゆるサイズの縫い目のない服を作る

HAX出身のElectroloomは、「布地のための3Dプリンター」を作っている。ポリエステルと綿を含む液体を型紙の上に噴霧することで縫い目のない衣服を作る。

Electroloomの共同ファウンダー、Marcus Foleyによると、この方式は、実験室内で有機組織を生成する際に用いられた技法がヒントになっている。当初チームは、このプロセスが細胞以外の何かでも使えるかどうかを知りたかっただけだった。できるとわかると、彼らの焦点はできるだけ早く簡単に実際の衣服を作ることへと移った。

プリントには通常、現在のElectroloomのプロトタイプで8~14時間かかる。Foleyによると、所要時間は、金属(あるいはスプレー塗装したダンボール)のテンプレートに溶液を噴霧するノズルの数で決まる。各ノズルはごく微量の溶液しか噴出できないため、ノズルを増やすことがプリント時間短縮の近道だ。

チームのKickstarterキャンペーンは最近調達資金目標を達成したので、早期支援者は2016年3月には自分のプリンターを手に入れることになるだろう。

しかし、プリンターを売ることだけがチームを目的ではない。彼らは工学と科学の経験を元に市場にアプローチしているので、衣服の創造にもっと広く便利に使ってもらえるよう改善するために、ファッション経験のあるユーザーからのフィードバックを必要としている。

早期購入者との対話も同社のビジネスモデル構築を助けるだろう。例えば、ユーザーはプリンターで作りたい服のテンプレートが必要になる。プリンターの魅力の一つはコンピューターデザインツールを使って衣服を作れることだ。そのためのソフトウェアは存在するが、そのデザインを繊維を吹きつけるための金属板に変換する手順は複雑だ。Electroloomは、それを簡単にするために、おそらくユーザーのためのテンプレートをシンセンのパートナーと協力して製造することを考えている。

彼らはポリエステル・綿の混紡以外の材料も検討中だ。また、衣類をプリントした後のデザイナーの作業を軽減するために、溶液の中に染料を加え最終的な色や模様でプリントされる方法にも取り組んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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