EVへの関心は電動ボートにも波及、Arcが約34.5億円調達

Arcはまだ創業1年にも満たないが、この電動ボートのスタートアップはVCのAndreessen Horowitzやエンターテインメント業界の大物たちからの投資を惹き寄せ、初期のTesla(テスラ)の役員で同社の初期の製造部門を率いた人物がリードする3000万ドル(約34億5000万円)の投資ラウンドを実らせた。

今回の3000万ドルのシリーズAはGreg Reichow(グレッグ・ライチョウ)氏がリードしたが、彼は元Teslaの役員で現在はEclipse Venturesのパートナーだ。今回は、これまでの投資家であるAndreessen HorowitzやChris Sacca(クリス・サッカ)氏のLowercarbon Capital、そしてRamtin Naimi(ラムティン・ナイミ)氏のAbstract Venturesらも参加した。同社は米国時間11月23日の発表で、ライチョウ氏が取締役会に加わることを発表した。これまでのArcの調達総額は3700万ドル(約42億5000万円)だが、それにはWill Smith(ウィル・スミス)氏のDreamers VCやKevin Durant(ケビン・デュラント)氏とRich Kleiman(リッチ・クレイマン)氏のThirty Five Ventures、そしてSean “Diddy” Combs(ショーン・コムズ)氏のCombs Enterprisesなどからの初期の投資も含まれている。

この若い企業に資本と強力な支援者が殺到していることは、電動化への関心が2つの車輪、4つの車輪を持つ乗り物を超えて広がっていることを反映している。後者は巨額の私募資金と驚異的な額の公開市場資金で溢れかえっているが、今週初めにGMは、電動ボート企業のPure Watercraftの株式の25%を取得したことを発表している。

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もちろん、30万ドルの限定版ボートを皮切りに、水上のあらゆるものを電動化するというArcの特殊なビジネスに対する高い評価となる。

CEOのMitch Lee(ミッチ・リー)氏と元SpaceXの技術者であるRyan Cook(ライアン・クック)氏が共同で創業したArcは、さまざまな価格帯と用途の電動船を開発していく計画だ。同社は最初、専用の船体と同じく専用のバッテリーパックの設計と開発に注力した。最初のボートArc Oneは、24フィート(約7m32cm)のアルミニウム製で475馬力、1回の充電で3〜5時間駆動する。このArc Oneは、最大で25隻の限定生産の予定となっている。

その後、2種類の高価なボートを数十隻作り、未来に向けて拡大していく計画だ。ただし短期的にはArc Oneに集中すると同社はいう。

画像クレジット:Arc

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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