Evernote、Google Drive、およびDropboxのデータをマインドマップ化するMohiomap

読者の方々にも、情報保管にはEvernoteを使っているという人が多いことだろう。筆者もやはりEvernoteを利用している。使うにあたっては、ノートブックを分割したり、タグを工夫して効率的な管理を心がけている。しかし何年分ものPDFファイルやウェブのクリッピング、そしてもちろん各種ノートが増殖し続け、今や全く管理不能な状態になってもいる。

もしかするとMohiomapが、そうした状況を救ってくれるのかもしれない。Evernoteをマインドマップ化するウェブアプリケーションだ。また最近になってGoogle DriveおよびDropboxにも対応するようになった。

地元であるニュージーランドの投資家よりシード資金を獲得し、現在はフリーミアムモデルでの展開を行なっている。無料でもマインドマップデータを閲覧し、情報を辿って行ったり、あるいは検索することができるようになっている。月額5ドルのプレミアム版では、カスタムテーマを利用したり、ノード間にコネクションの設定を行ったりすることができるようになる。また分析用のダッシュボードも利用可能となり、メモやファイルにコメントを付け加えることもできるようになる。

このMohiomapは、膨大な情報をビジュアライズすることで整理しやすくするためのツールだ。Evernote、Google Drive、およびDropboxに加え、Twitter用のビジュアライズツールのプロトタイプも開発している。Mohiomapの技術の応用範囲を探っている段階だということだろう。

サービスを立ち上げたのはChristian Hirschだ。オークランド大学にてPhDとしてコンピューターサイエンスの研究を行なっている際にアイデアを思いついたのだそうだ。

「ビジュアルランゲージないしビジュアライズ技術を、言語コンテンツの整理に役立てるための方法について研究していました。そうするうちに、商用サービスとして展開する可能性に気づいたのです」とHirschは述べている。そしてEvernoteのデベロッパー・コンペティションに参加してみたのだそうだ。

「ぜひともEvernoteを素材として技術を試してみたいと考えました。Evernoteには膨大な情報がたまることが多く、情報をビジュアライズして俯瞰するような方法が必要とされているはずだと感じたからです。こうした技術を組み合わせることで、Evernoteはより一層便利なツールになるはずだと考えたのです」とのこと。

コンペティション参加時点では、Mohiomapは実験的なプロダクトだった。しかし好意的な反応で迎えられ、またEvernoteのアプリケーションマーケットに登録すると良いというような提案も受け、たしかに成功の可能性があると感じたのだそうだ。そしてMohiomapのサービスは1年前に公式にスタートをきった。

ちなみにHirschによれば、マインドマップとは「情報を探し、また情報を結びつけるためのシンプルな方法のひとつ」であるとのこと。

「私たちは、多くの情報を扱う際にはリスト型のアプローチをとることが多いのです。ドキュメントの中に情報を延々と記して行ったり、あるいは整理する目的で、数多くのファイルないしフォルダに分類するという方法をとります。しかしコンテキストに基づいた情報の関連付けを行うことができれば、異なる情報間にも共通性を見つけることができたり、あるいは同じ内容に言及するさまざまな情報を一括して比較検討することができるようになったりするのです」。

まずは、Evernote、Dropbox、およびGoogle Driveなどで情報を検索する際の利便性を感じてもらいたいと考えているようだ。何か特定の情報を探す場合のみならず、自分がためたデータを新たな視点から見ることで、何か新しい発見を得る人も多いことだろう。

Mohiomapは今後、Twitterや他のクラウドストレージプラットフォームにも対応したい考えだ。さらに個人ユーザーのみではなく、企業内でも利用してもらえるようにしていきたいのだとのこと。従業員の持つ情報を、簡単便利に、かつ有効なかたちでマインドマップ化する魅力を売り込みたいと考えているそうだ。またiPad用のネイティブアプリケーションも開発中であるとのこと。

現在のところマネタイズは有料プレミアムサービスを通じてのものとなっている。今後は企業利用者に向けたビジュアライズした情報データベースを構築したり、あるいは専用のドキュメントリポジトリといった、カスタムプロダクトの提供も行なって行きたい考えだ。

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(翻訳:Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

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