FAA、操縦士から見えない場所でドローンを飛ばす許可をPrecisionHawkに与える

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連邦航空局(FAA)はドローン技術スタートアップ、PrecisionHawkに、無人機による米国領空の有視界外飛行(BVLOS)を許諾した。

これは国で初めての適用除外例であり、企業が55ポンド(25 kg)以下の小型ドローンを事業に利用する方法を定めたパート107規約の発効と同日に決定した。

ノースカロライナ州拠点のPrecisionHawkは、農業に使用する固定翼ドローンの製造、およびドローンで集めた空中写真やデータの保存、分析を行うクラウドベースソフトウェア、DataMapperの開発を行っている。

TechCrunchの親会社、Verizon Communications Inc.の投資部門であるVerizon VenturesはPricisionHawkの出資者でもある。CrunchBaseによると、これまでにPrecisionHawkはベンチャー資金2900万ドルを集めている。

PrecisionHawkのドローン、Lancasterは、KespryParrotGIS UAV Ltd.等、いわゆるアグリドローン(農業用ドローン)がライバルになる。

同社のDataMapperは、DroneDeploy3DRのSite Scanを始め数多くある、ドローンユーザー向けマップ技術・データ分析プラットフォームと競合する。

PrecisionHawkのEVP、Thomas Haunは、「農業用に有視界外飛行の許可を得ることができた。これで一区画だけでなく農場全体を効率よく飛べるようになる」と語った。

適用除外といっても、PrecisionHawkがFAAの新しいパート107に定められた他のルールから外れて飛べるわけではない、とHuanは付け加えた。他の飛行機には航路を譲り、人の上空を避け、飛行できるのは日中のみ、等のルールに従う必要がある。

飛行中ビデオカメラでドローン操縦者に第一人称の視界を見せる代わりに、PrecisionHawkは同社が「低高度航空交通安全システム(LATAS)」と呼ぶしくみを使って、操縦者が他の飛行機や障害物を避けるのを助ける。このシステムはHarrisの航空交通データを利用している。

パート107.31のPrecisionHawkに対する適用除外は、FAAが与えた初めての “VLOS”(有視界)に関する免除だ。パート107が発効された日に、FAAは計76件の適用除外を発行したが、そのほとんどは夜間飛行を許可するものだった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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