Facebook、「Facebookで費やした時間」ダッシュボードを提供

発表から15週間後、Facebookは “Your Time on Facebook” (Facebookで費やした時間)を世界に向けて公開する。Facebookアプリを何分使ったかを数えるツールだ。自分のソーシャルネットワーク時間を管理するために作られたもので、ユーザーは過去一週間毎日どれだけ使ったか平均時間はどれだけだったかをダッシュボードで見ることができる。

一日の上限を設定してそれに達したときにリマインダーを受け取ることもできるほか、通知、ニュースフィード、友達申請の設定へのショートカットもある。後の2つのショートカットは新らしいが、それ以外の機能はプレビューで見たものと同じだ。

6月にFacebookがこの機能を開発していることを最初に報じたのがTechCrunchだった。

iOSとAndroidが最新OSに同様の機能を搭載し、InstagramにもYour Activityタブが追加されたことで、デジタル健康機能はスマートフォンユーザーに普及してきた。問題は、こうした機能を設定メニューの奥深く埋めておくだけで本当に人々に健康的生活を推進できるのかだ。

FacebookとInstagramの機能は特に強制力が弱い。利用を減らすためのオプションはなく、警告の通知を消させるだけだ。 iOS 12のスクリーンタイムは、少なくとも週間レポートをデフォルトで表示する。 Androidのデジタル健康ダッシュボードははるかに強力で、一日の上限に達するとアプリアイコンをグレイ表示にして設定でアプリをアンロックするまで使うことができない。Facebookがもっと強い制約を課す必要はないが、少なくともユーザーが実際に端末を置いてリアル世界に目をやるよう説得するツールは提供すべきだろう。

FacebookのダッシュボードはInstagramと連携していない。Instagramの方がユーザーの同サービスでの活動についてより総合的感覚を伝えようとしている。さらに言えば、ダッシュボードからはデスクトップやタブレットなどの2台めのモバイル機器の時間もわからない。

しかしYou Time on Facebook最大の問題は、あらゆる時間を同等に扱っていることだ。それはソーシャルネットワーク上のデジタル健康についてFacebook自身が提唱してきたことや、CEO Mark Zuckerbergの健康的行動と不健康な行動に関するコメントとも一致していない。Zuckerbergは2018年Q1の決算会見で、「われわれが実施した健康調査によると…人と対話して人間関係を構築するためにインターネットを使うことは、長期的な健康や幸福、つながっていると感じることによる寂しさの緩和など、健康によいと思われるあらゆる事象と相関している。一方、受動的にコンテンツを消費するだけでは必ずしもポジティブな効果を得られない」と言っていた。

しかし、Facebookの受動的利用と能動的利用をダッシュボードから区別することはできない。ニュースフィードを読みストーリーを見てプロフィール写真を眺めていた時間と、投稿やコメントやメッセージを書いていた時間を比べる方法はない。そうした分類があれば、ユーザーは無駄に費やした時間がわかり、どうすれば健康的利用ができるかをずっと判断しやすくなるだろう。いずれFacebookがダッシュボードをもっと精緻化して、利用時間だけでなく、有益に使われた時間を見られるようにすることを願いたい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。