Facebook、トルコ政府の要請で冒涜的ページを検閲。しかし公表はせず


GoogleとTwitterは、物議を醸すコンテンツを検閲しなければ当地でのサービスを閉鎖させるという法的脅威を受けた時、透明性維持のためにChillingEffects.orgに報告することが多い。しかし今日(米国時間1/26)Facebookがトルコの法的命令に従って、預言者ムハマンドを中傷するFacebookページをトルコのユーザーに対してブロックした時、その要求を公表しなかった。

閉鎖されられるよりも、検閲指示に従って運用を維持し、少なくとも一部の市民たちに発言の場を与えることがFacebookの義務である、とMark Zuckerbergは言った。

エドワード・スノーデンの暴露以来、IT企業の政府とのつきあい方に関して、透明性への圧力が高まっている。殆どのIT巨人は現在透明性レポートを発行しているが、NSAから受けた要求について具体的に明らかにすることは広く禁じられている。

しかし、外国からの検閲最後通告や、米国内のDMCA著作権削除要求を受けたときは、それを公にしている。GoogleとTwitterはいずれも膨大な通告記録をChilling Effectsで共有している。しかしFacebookは、この透明性手順をとっていない。

代わりに彼らは、インタラクティブ地図によって透明性レポートを強化し、例えばトルコという国でどんな種類のコンテンツがブロックされたかを見ることができる。ただしレポートは6ヵ月毎にしか発行されない。

Facebookが検閲に応じるのは誤りで、閉鎖すべきだと主張する向きもある。Facebookの成長と広告目的が応じる理由だというのはよく聞かれる意見だ。

しかしMark Zuckerbergは最近の公開Q&Aで検閲について意見を表明し、1ヵ国の広告収入やユーザー数は足しにならないと語った。そして自分の立場を守るべくこう言った(一部要約)。

企業が法的な中止命令に従わずに閉鎖させられたことが、その法律を変えさせる役に立ったという例を、私は歴史上殆ど思いつかない。しかし運用を続けることによって、たとえば人々が愛する人々とつながる、学習する、職を見つける等、別の形でその国に役立つことができる。このため私は、疑うことなく、われわれの責務は運用を継続することだと考えている。

Zuckerbergの考えは議論の残るところだ。検閲に応じることは、暗黙のうちにそれを奨励する。しかし数百数千万人の基本的コミュニケーション手段を遮断することもまた、表現手段を奪う。Facebookはこの問題についてコメントを避けている。

いずれにせよ、Facebookが現在の立場を維持しつつ、透明性を高めて受け取った要求を迅速に公表することが可能であることは明白に思える。そうすることは、検閲は法的義務を負う場合のみであること、市民からソーシャルネットワークを奪うことなくできる限りのことをして戦っていることを、人々に納得させるのに大いに役立つだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。