Facebook、ビデオチャット・デバイス開発中――スマートスピーカーは一時棚上げか?

Facebookはノートサイズのディスプレイを備えたビデオチャット専用ハードウェアの開発を行っているという。Bloombergの記事によれば、Facebookのハードウェア開発事業部、Building 8からの初の本格的製品となる。記事によれば、このハードウェアは物理的に離れた場所にいる友達が同じ空間を共有しているように感じて親しく会話できるようにすることを目指している。

BloombergはまたBuilding 8ではAmazon EchoやGoogle Homeのライバルになる音声認識機能を備えたスマートスピーカーも開発しているとしている。FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ自身が自分の家庭のために映画『アイアンマン』のじゃーヴィスのような音声認識で作動するホーム・アシスタントを開発したことがある。これはザッカーバーグ恒例の「今年の目標」の2016年版だった。

Facebookのハードウェア開発に関するニュースは初耳ではない。先週はDigiTimesがFacebookのサプライチェーン関係者の話として15インチ・ディスプレイを備えたデバイスの開発が順調に進んでおり、早ければ2018年の第1四半期にもリリースされると報じていた。

こうした情報を総合すると、Facebookのスマートスピーカーと15インチ・ディスプレイは実は別々のプロダクトのようだ。15インチのスクリーンはノートパソコン・サイズのデバイスにちょうどよい大きさで、ビデオチャットに向いている。チャット・デバイスの価格は Bloombergによれば「数百ドル」になるという。もしFacebookが当面ビデオチャット・デバイスに集中するなら、スタンドアローンのスマートスピーカー製品は一時棚上げになるのかもしれない。スマートスピーカーの価格は100ドル台を目標としていた。

Bloombergによればビデオチャット用デバイスはマイクと広角カメラを内臓し、人工知能によってオーディオを最適化し、人間の顔を認識してズームする機能などを備えるという。テストではディスプレイを支えるために薄型のスタンドが用いられた。Facebookでは13インチから15インチ程度のサイズを考えているという。OSはインハウスの専用OSではなくAndroidが用いられるようだ。

またFacebookはこのデバイスに360°カメラを装備することも検討している。これが実現すればデバイスの全周を撮影することが可能となり非常にリアルなテレプレゼンスをもたらすはずだ。ただし最初にリリースされるバージョンには間に合わないようだ。

Facebookがビデオチャット・デバイスを販売することは理にかなっている。ユーザーがビデオチャットを利用する際のハードルを下げ、利用を大きく増加させるだろう。現在パソコンやタブレットなど汎用コンピューターでビデオチャットを行うにはプラットフォームにログインしたり、アプリにカメラのアクセスを許可したりするなどの手間がかかる。Facebookのビデオチャット・デバイスはFacebook Messengerをデフォルトでサポートするはずだ。これはMessengerを一層普及させ、コマースや金融などのトランザクションのプラットフォームとしての地位を確立することを助けるだろう。

記事執筆に協力: Josh Constine.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+