Facebook、現実のユーティリティーへ―料理配達、チケット購入などが簡単に

2016-10-20-facebook-utility

今日(米国時間10/19)、Facebookはいくつかの新機能を発表した。Facebookはユーザーが単にテキストや写真を投稿するだけでなく、現実の場面でもこのソーシャルメディアを使ってもらいたいようだ。Facebookページでは、ユーザーはDelivery.comとSliceを通じて宅配で料理注文することができる。また MyTimeを通じて専門的サービスの見積もりを取ったり、 Facebookを離れることなくTicketmasterとEventBriteで映画やコンサートのチケットを購入したりできる。

Facebookはイェローページの復活に向けて努力をしているが、これらの新機能はその最新の成果といえるだろう。特に月間で6億5000万人がFacebookのイベント機能を利用していることを考えるとFacebook内からチケット購入ができるようになることの影響は大きい。現在はFacebookでイベントを知っても実際に参加するためには別のサービスにログインしてチケットを買う必要があった。このフリクションを取り除くことができれば、Facebookのイベント機能は各種イベントの主催者にとって対話性の高い広告媒体としての魅力を大きく増すことになる。

tickets-and-requests

友達があなたの知っている都市や地域を旅行している場合、新しいRecommendations(お勧め)機能を利用して何をしたらいいか提案することができる。ユーザーが不案内な町にやって来て「私は何をしたらいい?」と投稿するとFacebookの人工知能が自動的にそのことを探知する。ユーザーがRecommendations機能をオンにしている場合、友達の「お勧め提案を求む」という投稿がニュースフィードに目立つように表示される。この投稿への友達のコメントには地図が含まれ、後で利用するのが簡単なようにブックマークもできる。つまり「東京に来たけど寿司はどこで食べたらいい?」とか「サンフランシスコでブリトーがおいしいのはどこ?」といった質問に答える(そして提案を利用する)のが大幅に簡単になる。

rex-all-phones

Facebookは今月、スタンドアローのイベント・アプリをリリースしたが、このアプリの優れた機能を本体アプリのイベント・タブにも移植した。ユーザーはデフォールトで友達からのRSVP(参加の可否連絡待つ)を含めてイベント発見のためのフィードを見ることができる。このフィードでは今日、明日、あるいは今週末にどんなイベントがあったかを簡単に調べることができる。もっと詳しく日程を知りたい場合は伝統的なカレンダー表示に切り替えることができる。ユーザーは新しいイベント機能を利用することで、地域のパーティー、展覧会、コンサート、カンファレンス、飲み会などの情報を最大漏らさず知ることができる。

eventsdiscovery

これらの新機能は当面アメリカを対象として今日から公開が始まる。反応が良ければ他の地域にも拡張される可能性がある。

FacebookはGoogle、Yelp、Fandango、ローカル情報サイト、料理宅配アプリなどに流れているトラフィックの一部を自サービス内に取り込もうとしているようだ。Facebookのタイムランはユーザーが慣れており、UIとしても使いやすい。ここに友達からの提案が表示されるのはユーザーにとって便利であり、使いにくく、身元不明の記事が多数ヒットするモバイル検索に十分勝てるとFacebookでは考えている。

ユーザーの習慣は一朝一夕に変わるものではないからモバイル・トラフィックに大きな影響を与えるような変化がすぐに起きるかどうかは分からない。しかしFacebookがユーザーが何をどこで買うのかについて今より豊富な情報を入手できるようになるのは間違いなさそうだ。ユーザーが特定のコンサート会場によく行く、あるいはタイ料理をよく注文するなどの情報が得られば、ターゲット広告の精度を改善するために役立つのはもちろんだ。

ユーザーがFacebook上で、友達だけでなく各種のビジネスとも相互作用をするチャンスが増えれば、ビジネス側でもFacebookにおける自社の露出を重視せざるを得ない。広告予算をFacebookにさらに振り向けることが必要になるわけだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。