Facebook、Q2の売上40.4億ドルで予測を上回る。ユーザー数は伸び率微減ながら対前四半期3.49%増で14.9億人に

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人々はFacebookを使わなくなっていない。最新の決算報告でわかった。Facebookは前四半期の予測未達から復活し、2015年Q2は売上40.4億ドル、1株当たり利益0.50ドルでウォール街の予測を上回った。現在Facebookの月間ユーザー数は14.9億人、対前四半期3.47%増で、これはQ1の成長率3.6%をわずかに下回った。

アナリストの予測は、売上39.9億ドル、EPS 0.47ドルだった。しかし、Facebookの真の損益を測るGAAP純利益は、前年同期の7.91億ドルから7.19億ドルへと下がった。おそらくこれが、時間外取引でFacebook株が1.39%安の95.53ドルになっている理由だろう。

それでも同社の長期健全性から見て最も重要な統計データは、Facebookが65%という高い粘着率を維持していることだ。これは日間アクティブユーザー数(DAU)を月間アクティブ(MAU)で割った値で、ユーザーの定着度合を示しており、同サービスが人々の注目をSnapchatやTwitterと争う中、この数値が下がっていないのは良い兆候だ。

モバイルは広告売上の76%のいう膨大な数字で前期の73%を上回った。月間モバイルユーザー数は12.5億人から13.1億人へと4.8%伸び、日間モバイルユーザー数は7.98億人から5.76%増えて8.44億人となった。いずれも前四半期よりやや伸び率が下がった。全体の日間アクティブユーザー数は、9.36億人から3.41%増えて9.68億人だった。

比較すると、今四半期Twitterのユーザー成長率はわずか2.6%で、広告を見ない「SMSファーストフォロー」ユーザーを除くとわずか0.66%だった。

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Facebookの決算会見で最も興味深かったのは、CEO Mark Zuckerbergが、Facebook Eventsは4.5億ユーザーを得て「世界規模」になったと言ったことだ。これはFacebookが、人々の「今夜何をしようか?」という問いに答える単体アプリを作る準備が整ったことを意味している。

もう一つ重要な話題は、FacebookのMessengerおよびWhatsAppの収益化戦略だ。ニュースフィードへの広告表示を遅らせ、まずは企業ページでの自発的対話を優先したように、Facebookは企業が金を払って顧客とつながろうとする前に、ユーザーがチャットで有機的に企業とつながって欲しいと考えている。

Zuckerbergは、Facebookのファミリーアプリの統計データも公表し、WhatsAppユーザーが8億人、Messengerユーザーが7億人、Instagramが3億人、グループのユーザーが8.5億人、Facebookページを使っている中小企業は4000万社だった。

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この四半期Facebookは、同社の広告およびEコマース機能を積極的に改善しつつ、ビデオとインスタントアーティクルで、コンテンツを庭の中に囲い込もうとしている。

同サービスは購入ボタンおよびアドレスフォームのオートフィル機能をニュースフィードに追加した。1日に40億を優に越えるビデオビューを元に、Facebookは10秒間表示保証付ビデオ広告の販売を開始した。従来はわずか3秒間だった。一方、Messengerはチャットアプリの巨人へと成長し、現在7億人のユーザーを賄っている。最近導入された友達同志の支払い機能とアプリプラットフォームによって、Facebookはユーザーの忠誠度を高めつつ、メインアプリのニュースフィードでさらに収益を得ようとしている。

Instagramは、広告のターゲティングとフォーマットが改善されたことによって、大きな収益を生み始めることが期待される。未だにFacebookは、InstagramとWhatsAppの収益に関して多くを語っていない。非公式には、eMarketerがInstagramは今年5.95億ドルを売上げたと推測している。

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どうやらFacebookは、南米、アフリカの多くの途上国を含む「その他の国々」における広告売上問題を解決したようだ。遅いネットワークと旧式携帯電話を使用するユーザーの収益化は、欧米主要市場におけるユーザー獲得が既に飽和している、Facebookの長期的売上成長にとって決定的に不可欠だ。最近公開されたAndroid用簡易Facebookアプリによって、世界中の人々が今以上にFacebookをサーフィンし広告を見るのが簡単になるかもしれない。

Facebookは、そのインターネットを吸収する探求の旅へ出発したばかりだ。18ヵ月の間に、殆どビデオを見せていなかったものが巨大なビデオ視聴サービスへと変わった。ユーザーや企業による人間的作品が、侵入的な自動再生ビデオ広告を覆い隠すカバーの役目を果たしている。

インスタントアーティクルによって、Facebookは囲われた庭園の大きな穴を、新たな収入源へと変える方法を見つけた。ユーザーが記事を読むためにニュースサイトへと出ていったり、アプリを一旦閉じて開き直す苛立ちを与える代わりに、インスタントアーティクルはユーザーをFacebookアプリ内で跳ね回らせ、広告を見せることができる。

同社が外国為替のせいだと言った前四半期の未達がなければ、これでFacebookは12期連続で予測を上回るはずだった。そして多くの人々がSnapchatの急成長はFacebookを大きく食うと確信する中、相変わらず順調に伸び続けている。11年が過ぎ、未だに人々はFacebookを十分理解できていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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