Facebookがインド亜大陸におけるクリケット国際大会の独占デジタル権を獲得

Jos Buttler runs out Martin Guptill off the final ball of the superover to give England victory during the England v New Zealand ICC Cricket World Cup Final 2019 at Lords Cricket Ground on July 14th 2019 in London (Photo by Tom Jenkins/Getty Images)

クリケットファンは今後数年間、Facebookを頻繁に見ることになりそうだ。現地時間9月26日、Facebookは国際クリケット評議会(ICC)と提携し、2023年までのICCの世界大会に関してインド亜大陸における独占デジタルコンテンツ権を獲得したことを発表した。

この4年間の契約の金銭的な条件は明らかにされていない。Facebookはインド亜大陸で、試合後とプレイ中のハイライトや試合に関する「おすすめコンテンツ」を提供する。この独占権はインド亜大陸に限定され、ほかの地域では試合後のハイライトを提供する予定だ。Facebookは、この「かつてない、画期的な」契約を通じて「数億人のクリケットファン」に楽しんでもらえることを楽しみにしていると述べている。

Facebookの担当者はTechCrunchに対し、どこのマーケットでも試合のライブストリーミングはしないと語った。

Facebook Indiaのバイスプレジデント兼マネージングディレクターのAjit Mohan(アジト・モーハン)氏は発表の中で次のように述べている。「ICCにとっては、FacebookファミリーのFacebook、Instagram、WhatsAppを活用して、既存のファンにサービスすると同時に次世代のファンを取り込む、またとないチャンスだ。人々は毎日我々のプラットフォームを利用してクリケットについて話し、友情を育む。今回のパートナーシップを通じて、我々は新しい会話、新しいつながり、新しいファン精神に火をつけるような特別なコンテンツをファンに提供することができる」。

クリケットは米国ではあまりメジャーではないが、英国、インド、オーストラリアなどFacebookの主要マーケットの多くでトップクラスの人気を誇るスポーツイベントのひとつだ。どれほどの人気かというと、ディズニー傘下のインドのストリーミングサービス「Hotstar」は、クリケットのライブストリーミングで同時最多視聴数の世界記録を打ち立てた。

Facebookはよくわかっている。2017年に同社は、インドで人気のクリケットトーナメント「IPL」の5年間のオンラインストリーミング権に6億ドル(約647億円)の入札をした。この入札は、Hotstarを運営するStar Indiaに破れた。昨年Facebookはスペインのプロサッカーリーグ「La Liga」のインドなどでのストリーミング権を獲得し、その後調査をしていた

ICCによれば、7月に終了したICC男子クリケットワールドカップでは、ICCのデジタルとソーシャルメディアのプラットフォーム全体で動画が46億ビューを獲得したという。今回の契約は、以下の大会を対象としている。

  • ICC女子T20ワールドカップ2020
  • ICC男子T20ワールドカップ2020
  • IICC女子クリケットワールドカップ2021
  • IICCワールドテストチャンピオンシップ決勝2021
  • IICC男子T20ワールドカップ2021
  • IICC女子T20ワールドカップ2022
  • IICC男子クリケットワールドカップ2023
  • IICCワールドテストチャンピオンシップ決勝2023
  • IICC男子T20ワールドカップ予選2019
  • IICC男子クリケットワールドカップ予選2022
  • IICC U19クリケットワールドカップ2020
  • IICC U19クリケットワールドカップ2022

昨年Star Indiaは、インドの全クリケットチームの試合について、グローバルでデジタルのライブストリーミング権とテレビの放映権を総額9億4400万(約1018億円)で獲得した。

モーハン氏は、Facebookに加わる前はHotstarの最高責任者だった。同氏は「FacebookはARとVRの未来を描いている。我々は世界中のファンに最高のイノベーションをもたらす可能性があり、そのことに興奮している」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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