Facebookがオーストラリア政府と合意、ニュースコンテンツ共有の再開を発表

Facebook(フェイスブック)は、オーストラリア政府と合意に達したことから、同国のユーザーのフィードでニュースを共有することを「近日中に」復活させると発表した。このソーシャルメディアの巨人は米国時間2月17日、近々投票で成立が予想されるオーストラリアのメディア交渉規定法案を巡る討論の後、同国でニュースコンテンツを制限するという思い切った行動に出た。この規定は、FacebookやGoogle(グーグル)などの大手テック企業が、自社のソーシャルメディアプラットフォームに投稿されたニュースコンテンツに関して、ニュース発信元のメディア会社との間で収益分配契約を結ぶことを求めるものだ。

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Seven News(セブン・ニュース)の報道によれば、オーストラリアのJosh Frydenberg(ジョシュ・フライデンバーグ)財務大臣は、「ニュースメディア企業が公正に報酬を得られるようにするための枠組みを強化するこの規定について、デジタルプラットフォームとニュースメディア企業に対しその運用方法をより明確にする」修正が加えられたと語ったという。

今回の修正案は、Facebookのようなデジタルプラットフォームとニュースメディアが合意に達することができるように、強制的な仲裁に入る前に2カ月間の調停期間が規定に盛り込まれたことを意味する。オーストラリア政府はまた、この規制を適用すると決定する前に、テックプラットフォームがすでに地元のメディアと結んでいる商業契約を検討することになり、最終決定に達する前に1カ月間の観察期間が与えられることになった。

Facebookオーストラリア&ニュージーランドのマネージングディレクターであるWilliam Easton(ウィリアム・イーストン)氏は声明の中で、同社は今回の修正に「満足している」と述べ、それが「我々のプラットフォームがパブリッシャーに提供する価値と、我々がパブリッシャーから受け取る価値を相対的に認識する商業取引を可能にするための核心的な懸念事項に対処した」と続けた。

Facebookが先週行った制限は、オーストラリアのパブリッシャーがFacebookページでニュースを投稿・共有することできなくなり、オーストラリアのユーザーは自国や外国のニュースコンテンツを閲覧・共有することができなくなるというものだった。

オーストラリア政府は2020年4月、GoogleやFacebookなどの大手テック企業に対し、地元メディアにコンテンツの再利用料を支払うことを義務づける規制を採用すると発表した。それ以前にプラットフォーム企業と地元メディアの間では自主的な規定を作成する試みが行われていたものの、遅々として進まなかったためだ。

この法案に反対を表明する活動として、最初にFacebookは2020年9月、オーストラリアでニュースコンテンツの公開共有を制限せざるを得なくなると脅しをかけた。Googleもまた、オーストラリアにおけるユーザー体験が損なわれると主張し、同国で無料のサービスを提供することができなくなるかもしれないと示唆していた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookオーストラリア

画像クレジット:Robert Cianflone / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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