Facebookがパーソナライズされた広告の利点を訴えるキャンペーンを展開

オンライン広告は、Facebook(フェイスブック)のブランドマーケティング責任者を務めるAndrew Stirk(アンドリュー・スターク)氏が認めたように「不毛な話題」になりがちだ。だが、この巨大ソーシャルネットワーク企業は、その新しいキャンペーンで、中小企業にとって「パーソナライズされた広告がどれほど競争の場を平等化するか」ということを盛り上げようとしている。

この「Good Ideas Deserve To Be Found(見つけられる価値のある良いアイディア)」キャンペーンは、テレビ、ラジオ、デジタル広告で展開される。各企業は、新しく用意されたInstagram(インスタグラム)ステッカーや、Facebook上の#DeserveToBeFoundハッシュタグを使用して、プロモーションを行うことができる。

このキャンペーンでは、Facebook上で特定の中小企業が強調表示される。ハンドバッグや旅行用バッグ・メーカーのHouse of Takuraもその1つで、同社創業者のAnnette Njau(アネットンジャウ)氏は、米国時間2月24日に開催されたプレス向けイベントで、デジタル広告の利点について次のように語った。

「このようなプラットフォームが私たちに可能にしてくれることは、私たちがストーリーを語ることができるようになるということです。私たちのような企業は、テレビや大手雑誌でストーリーを語ることができません。なぜなら非常に費用が高く、そしてそれをどんな人が見るのか、私たちにはわかりません」。

このような考え方は、2020年Facebookが、Apple(アップル)のApp Tracking Transparency機能に反対して起ち上げたキャンペーンと似たものだ。このAppleが今後導入を予定している機能では、ユーザーが許可しない限り、アプリは広告ターゲティングのためにユーザーデータを共有することができなくなる。Facebookはこれに反応し「すべての中小企業のためにAppleに抗議する」と主張。とはいえ、このような変更は、2021年直面することが予想される「広告に対する著しい逆風」の1つになるだろうと指摘した。対照的にAppleのTim Cook(ティム・クック)氏は、これらの変更は消費者が求めている制御を提供するものだと述べている)。

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今回のキャンペーンは、Appleとの論争を拡大するものになるのかと尋ねられたスターク氏は、Facebookは公にAppleの変更に反対しているが、このキャンペーンは同社が中小企業のために行っている長期的なサポートの一部であると語った。

「実際にある程度の緊急性があります。中小企業は今、苦しんでいるのです」と同氏は述べた。

Facebookのビジネスプロダクト責任者を務めるHelen Ma(ヘレン・マ)氏は、これは「新型コロナウイルス感染流行のごく初期から我々が製品サイドで行ってきた取り組みの延長そのもの」であると付け加えた。その取り組みには、他に「Businesses Nearby」機能の導入や、#SupportSmallBusinessのハッシュタグなどが含まれる。

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Facebookは同日、このキャンペーン開始に加えて、製品におけるいくつかの仕様変更も発表した。広告マネージャを使いやすく簡素化したことや、レストランがその食事体験に関してさらに詳細な情報を提供できる新しいオプションを設定したこと、そしてFacebookのBusiness Resource hub(ビジネスリソースハブ)とInstagramのProfessional Dashboard(プロフェッショナルダッシュボード)で、パーソナライズされた広告に関する詳細情報を提供することなどだ。

また、同社はFacebook Shops(Facebookショップ)のCheckouts機能を通じた取引手数料の免除を2021年6月まで延長し、少なくとも2021年8月までは有料オンラインイベントで支払われた料金についても同様の措置を取ることも発表した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook広告Apple

画像クレジット:Facebook

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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