Facebookの〈Dislikeじゃない〉ボタンは、絵文字だけになるかもしれない

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どうすれば、共感の気持ちを簡潔かつ明確に言語を越えて伝えられるだろう?

Dislikeボタンは長年Facebookユーザーから最も要望の多かった機能だ。そして今週ついにCEO Mark Zuckerbergは、あなたが自然災害や家族の死等の悲しい知らせを投稿した時、人々が「あなたの気持ちを理解し、そのことを伝えたがっていることを表現する」方法を開発中であることを明らかにした。

多くのニュース機関はこれを、FacebookがサムズダウンのDislikeボタンを作っていると、誤って解釈したが、実際にZuckが言ったのは、「単なるDislikeボタンは作りたくなかった。なぜならFacebookを人々が他人の投稿にアップやダウンの投票をするフォーラムにはしたくないからだ。それはわれわれが作りたいコミュニティーの姿だとは思えない」だった。

Slack Reactionsでは、このボタンはどんな見た目になるのだろうか? 当初私が推したのは “Sorry” で、それは簡潔で明白で翻訳可能だからだった。しかしよく考えるうちに、絵文字の方が良い選択肢である気がしてきた。

その機能ならもうSlackにある、と言いたい人がいるかもしれない。職場のチャットアプリであるSlackでは「リアクションを追加」することが可能で、膨大な標準絵文字リストまたは会社がアップロードしたカスタムメイドのアイコンを選んで投稿に返信できる。

しかし、Slackのシステムは触れ合いを大切にするメッセージングアプリではうまくいくかもしれないが、制約がなさすぎる。もしみんなが異なる絵文字を選んで返答すれば、絵文字の山が出来てしまう。多くの絵文字は、楽しいけれどもその意味はあまり明確ではない。ピザにどんな意味があるのか? 丸顔? それともペンギン?Screen Shot 2015-09-17 at 3.17.52 PM

だから私は、Facebookが共感ボタン等Like以外の感情を表現する方法のお手本にするなら、Pathのリアクションに似たものがよいと思う。

Path ButtonsPathの投稿に絵文字やスタンプで応答するにはコメント機能を使う。ただし、ハートアイコン(LikeのPathバージョン)を押すと5つの選択肢が現れる。

  • ハート ― 実質的にLikeと同じく、好意を表す
  • スマイル ― Likeに似ているが、好意よりも自分のポジティブな反応
  • ウィンク ― 誰かのユーモアに対する笑いや感謝
  • 驚き ― 衝撃あるいは疑念のリアクション
  • しかめつら ― 悲しみ、共感、あるいは同情の表現

この5つの絵文字を使って、実に様々な共通する感情を表現することができる。タップするとその絵文字が投稿の下に積み重ねられていく。

Freeのファウンダーで、Path創設当時のデザイナーだったDanny Trinhは、当初PathではHappyからSadまでのスライドつまみを使って感情を伝えようと思っていたと私に話した。しかし、それは早くもなく包括的でもないように思えた。

次にTrinhは、リアクションを核となる感情に凝縮することを思いついた。以前彼はアップ/ダウン投票のアイデアを広めたDiggで働いていた。彼は私に、人々が有名人の死等の悲しいニュースにアップ投票することの気まずさを訴えた。Pathのより親密なSNSアプリには、もっと微妙な感情表現が欲しかった。彼が提案したのはこれだった。

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Pathは様々な感情カテゴリーの実験を行った。そしてTrihnによると、共同ファウンダー・CEOのDave Morinが「膨大な感情カテゴリーを分類した資料を堀り起こして検討した結果、この5つに落ち着いた」。これによって、どのリアクション絵文字も即座に認識できる非常に簡潔なインターフェースが可能になった。

私は同様のしくみがFacebookでも使えると思う。他のソーシャルアプリのデザインをパクることを尻込みする会社ではない、特にPathに関して。最近Facebookは、近況の投稿でPathスタイルのフライアウトボタンをテストした。去る2013年、FacebookはMessengerの送信ボタンをテキスト入力前はサムズアップに変えた ― Pathのチェックマークと同じように

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Pathのチェックマーク(左)はFacebook Messenger(右)のテキスト入力前に表示されるLikeボタンの元になったと思われる。

もしFacebookが悲しい顔の絵文字や限られた種類の絵文字を追加すれば、インターフェースをあまり乱雑にすることなく、Like以外の感情を共有するための、万人に理解可能な方法を提供できるだろう。

うまくいけば、絵文字フィードバックはFacebookのニュースフィード順位アルゴリズムに、たとえLikeできない記事でも、何が重要で何がよく読まれたかを教えられるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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