Facebookのコンテンツモデレーターたちが新型コロナ禍でも安全な労働条件を要求

Facebook(フェイスブック)のコンテンツモデレーター200名ほどと、一部のフルタイム社員が、「モデレーターの命を不必要に危険にさらすのをやめよ」と求めている。彼らはその公開書簡をフェイスブックとコンテンツモデレーターを管理しているAccentureやCovalentheyのような契約企業に送付した(Foxgloveリリース)。以前にはThe Interceptの記事が、性的虐待や露骨な暴力を扱うフェイスブックのコンテンツモデレーターの一部が、パンデミックの間にオフィスに戻るよう要求されたと報じている。彼らがオフィスに戻って数日後に、フェイスブックのコンテンツモデレーターの1人が新型コロナウイルスの検査で陽性だったと報じられている。

「コンテンツモデレーターは何カ月も在宅勤務を許されたが、その間ずっとフェイスブックを憎しみと偽情報のない場所にするための重いプレッシャーに直面していた。そして、いまとなってあなた方は私たちに、オフィスに戻るよう強制している。しかし新型コロナウイルスのリスクに関する医師のメモを持つモデレーターは出勤することを免除されているが、体の弱い親戚などがいて、私たちから新型コロナウイルスに感染すると死ぬ可能性のあるモデレーターには免除措置がない」と公開書簡には書かれている。

モデレーターたちは現在、フェイスブックに本人が新型コロナウイルスで重症者になるリスクの高い者であったり、リスクの高い者と一緒に住んでいる者が無期限で在宅ワークができることを求めている。さらにモデレーターは、フェイスブックが在宅ワークの時間を最大化することを求めている。

さらに書簡には、次のように書かれている。「コンテンツモデレーションはセキュリティ上の理由でリモートではできないといわれたが、もしそうなら、いまこそその仕事の編成のされ方を抜本的に変えるべき時である。フェイスブックには不必要に秘密主義的な企業文化が蔓延している。犯罪関連など一部のコンテンツはフェイスブックのオフィスでモデレーションされる必要があるが、そのほかは自宅で行われるべきだ」。

彼らはさらにフェイスブックに、危険手当とヘルスケア、および心のケアを求めている。また、モデレーターはいまのような外注ではなく正規雇用にせよと要求している。

一方、フェイスブックの広報担当者はTechCrunch宛の声明で次のように述べている。「コンテンツレビュワーの貴重なお仕事には感謝しており、彼らの健康と安全を重視している。社内でオープンな対話が行われることは重要だが、これらの議論は誠実でなければならない。現状、世界中で1万5000名いるコンテンツレビュワーの大半が在宅勤務であり、パンデミックの間はずっとそうだ。全員がヘルスケアにアクセスでき、雇用の最初の日から福利リソースを利用できる。そしてフェイスブックには、オフィス内のどんな仕事も安全であるための優れたヘルスガイダンスがある」。

モデレーターたちは書簡で、フェイスブックの現状のアルゴリズムではコンテンツの良質なモデレーションができないという。また彼らによると、そのアルゴリズムは「フェイスブックの心臓部」だという。

「私たちの仕事がなければ、フェイスブックは利用できない。優れたコンテンツモデレーションがなければ、帝国は崩壊する。現在のアルゴリズムは、風刺を識別できない。ジャーナリズムと偽情報を区別できない。自損行為や児童虐待に即応できない。私たち人間にはできる」と書簡にhある。

このグループは米国とヨーロッパのコンテンツモデレーターを代表しており、法務支援企業であるFoxgloveが支えている。Foxgloveのツイートによれば、今回は「これまでで最大のフェイスブックコンテンツモデレーターたちの国際的で集団的な取り組み」だという。

【更新】フェイスブックのフルタイムの社員の一部がコンテンツモデレーターたちと連帯して、同様の変化を要求している。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Facebook

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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