Facebookの検索機能が拡充し、2兆に及ぶ投稿からリアルタイムのニュース検索が可能に

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Facebookはニュース記事とリアルタイムのニュース検索でGoogleとTwitterに挑戦する準備が整ったようだ。今日からアメリカの英語ユーザーに対し、2兆ある投稿の中で検索可能なものから該当結果を表示するFacebook Searchの提供を開始する。これまでユーザーの友人や「いいね!」したページの投稿しか検索できなかったが、今後は全てのユーザーやページの公開投稿から検索できるようになる。

パーソナライズした検索結果は、信頼できるニュースソースからの投稿をまず特集し、次にユーザーのネットワーク内の投稿、次にその話題に対して人気のあるリンクや発言のリスト、そして最後に他人の投稿を表示する。

Facebook Search Summary

Twitter Searchと同じように、この取り組みによってFacebookで広く共有されている大々的なニュースやライブイベントに関する情報や人々の発言を見つけることができるようになる。そして、それを個別ユーザーを軸とした形で表示する。

Facebookはユーザーにニュースを新たな視点でみるきっかけを提供する。また、自分の投稿がフィード以外で他のユーザーの目に留まりやすくなるのなら、ユーザーは社会で起きていることに対する意見を公開設定で投稿をすることに意欲的になるかもしれない。

また、検索することはユーザーの意志を表しているとGoogleは証明してきた。そしてそれは、非常に利益率の高いキーワード広告として検索結果を活用できることを意味している。

Facebook SearchのVPであるTom Stockyは、まだマネタイズに注力していないが、「検索のビジネスモデルはとても理解されているため、それが妥当な時期がくれば、そうすることになります」と認めた。Facebookは既に毎日15億の検索を処理していることを考えれば、今後大きな利益を生む機会は多々あるだろう。

コンプリート検索への進化

Facebook Top Sources

Facebookの検索は、これから友達になりたい人を探したり、プロフィールを探したりするための手段だった。そしてGraph Searchが登場し、ウェブ、次にモバイル(今でも使える)からビジネス、写真、映画を検索できるようになった。そして昨年ようやく、Facebookのエンジニアチームは個別の投稿のインデックス化という大変な仕事をやりのけ、キーワード検索を可能とした。しかし検索結果は自分のニュースフォード内に表示される可能性のある投稿だけに留まった。

平行して、Facebookは検索広告も検証していた。例えば、FarmVilleといった特定のゲームを検索した際に、競合ゲームを表示する。しかし、最終的にFacebookはそれらの検証を停止し、ユーザーが繰り返し利用したいと思えるような検索体験を構築することに集中するようになった。

そして本日のアップデートでFacebookの内部の検索エンジンを最大限活用することができるようになった。これまでの検索は、過去の友人の面白い発言やかっこいい写真を見て、昔を懐かしむには良い機能だった。今日から、この投稿発見エンジンを、未来の世界からちょうど現在に滑りこんだリアルタイムのニュースを検索することに活用できる。

メンションのリストに留まらない

ユーザーにこの機能に慣れてもらうため、検索ワードの入力時のドロップダウンで、あてはまる人気のキーワードを予測して提案する。その下に、それらに合致する人や投稿などを表示する。検索ワードを提案されたものの中から選ぶか入力を完了すると検索結果のページにユーザーが「いいね!」したものやエンゲージが高いもの、過去に検索したもの、ユーザー自身の情報といった200の指標をもとにパーソナライズした結果が並ぶ。

Googleのように単純にユーザーと最も関連するリンクやメンションの結果を表示するのでも、Twitterのように発言のハイライトやライブフィードのようでもなく、Facebookは検索画面をいくつかのセクションに分け、検索結果を下にスクロールして確認する形をとっている。Stockyは、これはFacebookのTrending Topics機能と同じテクノロジーを活かしていると説明する。

Facebook Search Results

ユーザーにまずそのニュースの概要を伝えるため、Facebookはその話題の要約がある場合はそれをまず最初に表示する。その後にCNNのような信頼できるニュースソースからのメンションを表示する。Facebook内の専任チームが、エンゲージメント、スパム報告などを元に情報源やレポーターの評価スコアを割り出し、検索エンジンで投稿の順位付けをしているという。

友人の発言はユーザーにとって関心があるものなので、ユーザーのネットワーク内の人やグループの投稿を次に表示する。そのさらに下に検索に関連したリンクの中で最も人気のリンクを表示する。Facebook内に小規模版のDiggがあるような印象だ。最後にユーザーとは直接関わりのない人の公開投稿が、ユーザーと関連する順に投稿を表示する。

無名でもプライバシーはない

ユーザーの投稿のプライバシー設定は変わらないが、これまでの発言をより簡単に検索できるようになる。つまり、何年も前に発したきわどいジョークやプライバシー設定を誤った投稿は、人々と彼らが働く会社との間でトラブルを引き起こす原因になるかもしれない。Facebookはユーザーともっとコミュニケーションを取り、ユーザーにこれまで公開設定で投稿した内容をチェックしたり、自分の名前と誹謗中傷的な発言を検索して、問題になるような投稿を隠すように伝えた方が良いと思う。

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Stockyは、Facebookは誰かが検索結果からユーザーの投稿に「いいね!」をしたり、エンゲージしたりした時にはユーザーに注目するように通知するという。誰でもコンテンツを検索することができることを改めて知らせるためだ。見知らぬ人が自分のプロフィールを嗅ぎまわって無責任にも問題を引き起こすことはないだろうと高をくくる前に、ユーザーは検索機能があることを念頭に置き、Facebookに投稿する内容に注意を払うことが必要だろう。

検索できるから、投稿する

今回の公開投稿の検索機能は、Facebookに向けられる閉鎖的な環境で視野が広がらないという批判に対抗するものにもなる。Stockyは「ユーザーは自分の友人や知人の発信だけを見るのではありません。他の人の意見も見えます。全く異なる視点が得られるのです」と言う。自分の考えを投稿する場としてTwitterが最初に思い浮かぶが、もしFacebook Searchを介して公開設定の投稿から他のユーザーとの接点が生まれるのなら、世界規模のサービスであるFacebookで自分の意見を述べることにユーザーは意欲的になるかもしれない。

Stockyはウェブ検索の台頭は、人々が製作するコンテンツに大きな転換をもたらしたと話す。具体的にはインデックス化できるウェブサイトの登場だ。そしてFacebookにリアルタイムのニュース検索を実装した今、「より多くのコンテンツにアクセスできるようになることで、ユーザーはさらにコンテンツを共有することになるでしょう」と話す。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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