Facebook創業者夫妻の慈善団体が人体細胞地図プロジェクトに約73億円寄付

人間の体の細胞の地図を作る、現在進行形のグローバルなプロジェクトが、Chan-Zuckerberg Initiative(CZI、チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブ)から6800万ドル(約73億円)を寄贈された。文字どおり人間の細胞の地図を意味するHuman Cell Atlasプロジェクト(HCA)を構成する数ダースもの個別プロジェクトを、このお金が支えるだろう。

Human Cell Atlasは複数のプロジェクトの集まりで、それぞれが健康な人間の細胞を詳細かつ実用性のあるレベルで記録しようとしている。CZIはこれまでも数年間、いろんなやり方で支援してきた。それは、同団体の基礎研究における継続的慈善事業の一環だ。

実はCZIはかなり前に、期間3年のプロジェクトを38件、期間1年のプロジェクトを85件、今回と同様に支援することを発表している。しかし審査と承認のプロセスが長引いたため助成金の交付は遅れた。科学者や研究機関が、何をしてもいい白紙小切手のようなお金をもらうことはまれだ。

しかし今回の6800万ドルは、CZIのHCAとの関わりの範囲をより明確化している。支援が決まったプロジェクトの一覧がここにあり、関わっている研究者と研究機関も明記されている。

仕事の結果とそのために作られたツールは、ほかの研究者たちが無料で利用できる。CZIのプライオリティには、オープンソースやデータセットも含まれている。

CZIの科学部のトップCori Bargmann氏はプレスリリースで「Human Cell Atlasの最初の草案を目指す進歩を加速する学際的なコラボレーションをさらに支援し構築していくことに、喜びを感じている」とコメントしている。とても大きな仕事だから、数年後にその進捗をチェックしてみたい。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。